社内恋愛、パワハラなどの社内トラブル対処法
周りの人の迷惑を考えてみましょう。オンとオフの切り替えは最低限のマナーです
社内恋愛・不倫の問題点
付き合っていることを社内の誰にも知られず、恋愛も仕事もうまくいっている時は、他人に迷惑をかけるものではありません。また、社内恋愛や不倫の果てに別れた2人が社内で顔を合わせることも、誰かの迷惑になることではありません。問題視されるのは、次のようなケースです。■当事者
- 社内にいる相手のことが気になって仕事が手につかない
- 付き合っていることが、上司や同僚にバレないようにすることばかり考えている
- 別れた際にお互いが気まずい思いを抱え、日常業務に支障をきたす
■第三者
- 当事者たちの行動によって、仕事のモチベーションが下がる
社内恋愛や不倫は、当事者と第三者では問題の質が異なりますが、社内恋愛や不倫が社内問題に発展するのは、当事者がマナーを逸脱した時です。例えば恋愛中や不倫中の2人が社内でイチャついたり、相手にだけ露骨に特別な態度を取ることは、感情の抑制ができないことを物語っています。
チームワークが必要な仕事にあって、別れた2人が協力し合わなかったり、無視したり、露骨に嫌悪感を表わしたりすることも同じです。あるいはストーカーのように付きまとい、会社で復縁を迫るような行動に出たりすることも、感情のコントロールが効かなくなっている証拠です。
第三者からは「イチャイチャされると気分が悪い」「社内メールで連絡を取り合うのは止めてほしい」といったクレームが出てきます。これはビジネスマナーどころか、社会人としてのマナーの悪さが露呈した問題ですね。
社内恋愛・不倫・結婚問題の対処法
恋愛は自由ですがオフィスの空気を変える自由まではありません
公私の区別をして、職場では仕事を最優先にすることです。感情を抑え、軽はずみな行動を慎みます。当たり前のことですが、会社は恋愛の場所ではありません。
会社には大きな2つのルールがあります。それは他人に迷惑をかけないこと、周囲に不快な思いをさせないことです。これらは「ビジネスマナーの基本」です。この鉄則を忘れず、仕事に支障のないよう努めて下さい。
法律の専門家が対応してくれる公的な専門機関があります。ただし、慰謝料請求に発展するようなトラブルの相談が主となります。一般にメールや電話でのやり取りは無料ですが、対面の場合、相談料が発生することがありますので、情報を集めてから臨んで下さい。
■第三者にとっての対処法
社内の空気を乱し、士気を下げる要因となるような露骨な態度を取る人は、周囲の迷惑に気が付いていません。誰かが指摘しないと、エスカレートする可能性があります。対処の仕方は、勇気を持って相手に注意するか、信頼できる上司に相談することです。一般に社内恋愛や不倫が問題になった場合の担当部署は人事部ですから、信頼できる担当者や人事部のリーダーに相談してみるのもよいでしょう。なお、個人情報の面から第三者が外部機関に相談することは控えるべきでしょう。
いじめ・セクハラ・パワハラの問題点
「された側」「言われた側」が不快に感じれば、セクハラとなります。これに性別は関係ありません。先輩や同僚によるいじめや、上司が部下を罵倒して精神的に追い詰めるパワハラも同様で、いじめられた側、パワハラを受けた側が人格を傷つけられたり、精神的に衰弱したりすることが問題です。セクハラやいじめ、パワハラが日常的に繰り返され、出社したくなくなったり、最悪うつ病に発展することがあります。その場合、職場環境を見過ごした管理者の責任が問われます。
「セクハラ慰謝料訴訟」に発展するケースでは、企業名は公にされ訴えた側も訴えられた会社側も双方ダメージを受けます。つまり、いじめやセクハラ、パワハラの問題は、「個人」と「企業」両方の問題なのです。
いじめ・セクハラ・パワハラの対処法
1人の力には限界があります。日頃から上司や先輩との人間関係を構築しておくと安心です
まず毅然とした態度で相手に伝えることです。相手は自身の言動が親しさから出るものだと思い込み、あなたが不快に感じていることなど想像していない場合があります。不快に感じていることを知れば、相手は反省し、態度を改める可能性もあります。相手の態度に変化がない場合は、先輩や上司に相談しましょう。直属の上司からセクハラをされている場合は、他の部署の上司か、人事や総務のリーダーに相談します。
それでも改善が見られない場合は、社外の専門家に相談しましょう。近年では、セクハラ問題やパワハラ問題に取り組んでいる専門家が「パワーハラスメント相談窓口」と題して電話やメール、対面での相談も受けています。
ただし、その場合にも次の段階の「労働問題」に発展することを知っておきましょう。また、相談には有料のケースもあります。相談する場合は、信用できるかどうか、料金の有無など、相談先の情報を十分に集めてから行なってください。
余談ですが、ガイドもよく知っている大企業では、直属の上司からセクハラ被害を受けていることを、直接社長にメールで送りつけた人の話を聞きました。数日後、その上司は突然転勤を命じられたようです。「悪いのは上司なので当然の報いだ」と考える人、「上司の人生をも左右すること。軽率な態度だ」と考える人がいるでしょう。どちらにしても、トップへの「直談判」は慎重に行なって下さい。
■いじめに遭ったら
いじめる本人に注意を促すことと、上司に相談することの2つがあります。前者の場合は、お互いが感情的になりやすいので、先輩や同僚など第三者に間に入ってもらうことも有効です。上司に相談した場合、あとで相手から相談したことを根に持たれるかもしれません。しかし、それを気にして我慢を続け、挙句の果てにうつ病に陥ることのほうがより深刻な問題となります。解決に向けた、上司への相談を選びましょう。社外の専門家に相談する方法もありますが、会社内部の事情に精通していないため、的確なアドバイスを受けづらい点が挙げられます。
■上司からのパワハラ
パワハラの対処法は、まず人事や総務のリーダーに相談することです。パワハラをする上司とはいえ、第三者の客観的な言葉には耳を傾けるはずです。改善が見られない場合は、前述の通り社外の専門家に相談する方法もあります。ただし、その場合、セクハラ同様「労働問題」として扱われることを忘れないで下さい。
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