これからは個人にも理念が必要
WINDOWS98以降、日本では爆発的にインターネット人口が増え、今や8000万人を越えています。インターネットはコミュニケーションにおいて革命を起こしました。企業内研修などで組織のイメージを描く作業をすると、40代以上の昭和世代はピラミッド型の組織に、社長、部長、課長、一般社員というように人が縦に並んでいる図を大抵書いています。
インターネットや携帯メールに慣れ親しんでいる20代の平成世代は、ネットワーク型組織をイメージする人が増えています。人がバラバラに存在しながらも四方八方に線で結ばれている組織図を書いています。
今まではトップがきちんとした理念やビジョンや戦略を掲げ、それを経営職、管理職、一般社員という流れで受け継ぎ、決められたことを愚直に遂行するということで成り立った社会です。
しかし、日本も豊かになり、選択肢も増え、個々の価値観も多様化してきました。もはや今までのような上意下達のやり方のみでは通用せず、個々が企業と同じように、自分の理念やビジョンや戦略を持つ必要性が生まれたのです。
そして、ネットワーク社会では若い人がイメージしたとおり、個が自立して連帯する社会となります。トーマス・フリードマンの名著『フラット化する世界』は参考になろうかと思います。このように、日本の成熟度やコミュニケーション革命により、個々が明確な理念・ビジョン・戦略を持つ、自律的な個になることが時代の要請として求められるのです。