キャリアプラン/自己分析の方法

キャリアと価値観を振り返る(4ページ目)

キャリアプランを行うための1番目の手順である「バリューとキャリアの棚卸しについてご説明します。キャリアのみならず、自分の価値観を知ることは長い眼で見て重要なことです。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド


成功体験と失敗体験を振り返る

もう1つ、成功体験と失敗体験という切り口もあります。出会いや出来事と同様、時系列で棚卸しするとよいでしょう。個人差もありますが、実は失敗経験から現在の価値観を生むことが多いようです。ガイドも然りです。

この前もある雑誌の取材がありましたが、どん底体験の重要性を申しました。ガイドはサラリーマンから独立した身で、節々で色々な失敗もしてきました。穴があったら入りたいと思うようなこともありました。重要なことはその失敗を他責にせず、素直に受け入れることです。

若い頃に自分のメンターにも言われましたが、「運のせいにするな。運も自分の責任と思え!」と言う言葉はガイドにとっては金言です。妙に腑に落ちる言葉なのです。二度と同じ失敗をしないように、どういうアクションをするかが重要です。こういうことから新しい行動規範が生まれ、自分自身のバリュー、行動する上で大切にしたいこと、譲れないことが醸成されていくのでしょう。

キャリアの棚卸しをする

バリューの棚卸しはいわば根底の部分。キャリアは表層の部分と考えてよいでしょう。入社以降、転職あるなしに関わらず、まずは時系列で会社・部署・役職と、どんな職務に就いてどんな能力と実績を積んできたかを整理して下さい。

表現例:
IBM・横浜営業所・一般職・川崎市全域担当(既存顧客と新規開拓営業)
売上目標達成率(1年目より108%、113%、157%、138%、124%)、5年目終了時主任に昇格。

採用する方から見て、魅力的な人物に見えるかどうかが表現する上でのポイントとなります。

次に、職能(営業職、マーケティング職、経営企画職など)や職務単位で仕分けをして、経験年数の多い順にカテゴリー分けをして分類して下さい。ここで行う仕分けの意味は経験年数とスキル・能力の熟成度は相関関係にあるからです。

表現例:
営業職…計10年
営業部員~主任(横浜支店7年)1992年~1999年、課長(新宿支社3年)2003年~2006年
マーケティング職…計4年
本社商品企画本部係長1999年~2003年
経営企画職…計3年
本社経営企画部次長2006年~2009年

時系列を職能毎に括ると何が専門であるかが鮮明になります。この一連の作業から、自分の「強みや売り」が見えてくるはずです。

ここで重要なことは「実績」。ガイドは人材紹介という仕事を通じて、これまで数千名の職務経歴書を拝見してきましたが、ポイントは以下です。
  • いかに売上拡大に貢献してきたか
  • いかにコスト削減に貢献してきたか
を定量的に表現することに尽きます。事務職や技術職など間接部門にいる方でもどういう形であれ意識して表現をして下さい。特に買い手市場においては確実に戦力になる人しか採用しません。どんな職務に就いても、この点との紐付けが重要です。今後、職務経歴書を作成する際のヒントとして下さい。
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