キャリアプラン/キャリアプランの書き方

キャリアプランの考え方とは?一から始める具体的なプランの立て方

キャリアプランとはどんな意味・考え方なのでしょうか。キャリアプランの立て方がわからないあなたに、過去・現在・未来の視点から、あなたの理想像や目標に到達するためのアクションプランを立てるまでの全体像を説明します。自分の未来を創造していくワークと考えて下さい。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド

キャリアプランとは? 自分の理想の人生を創造していく

キャリアプランの作り方とは

キャリアプランの作り方とは


「キャリアプランを描いたほうがいい……」と言われても、一体何から手を付ければよいかわからないという人が多いのではないでしょうか? そこで、過去・現在・未来の視点から、ビジョン(あなたの理想像)に到達するためのアクションプランを立てる4つの手順をご紹介します。自分の未来を創造していくワークと考えて下さい。
 
<目次>
 

キャリアプランの意味・定義

そもそもキャリアプランがなぜ必要かということを確認したいと思います。一昔前までは、多くの企業は1つの会社で定年まで勤め上げるという価値観が主流であったため、会社にキャリアを委ねておけばよかったのです。

しかし、大会社でさえ、いつ潰れるかわからないというこのご時世、自ら主体的にキャリアを切り拓いていくこと、自己防衛のためにもきちんとキャリアプランを考えなければならないのです。日常的な仕事の目標達成への短期的なプランと同時に、中長期的な自分自身のキャリアプランが必要なのです。

ガイドなりの定義ですが、「キャリアプランとは、理想の姿を目指し、自らの現実の姿を見つめ、そのギャップを埋める(=価値を高める)ための、戦略的行動(アクションプラン)を策定し、連鎖的に実行に移すこと」です。以下、その手順に沿って、ご説明しましょう。
 

キャリアプランの考え方1.過去を振り返ることから始める

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横軸には、年齢や人生の節目イベントなどの時間軸を記入します。縦軸には当時のあなたの人生や生活への満足感を0を基点として、+と-で表します

キャリアプランを立てるには、まず今までの人生を振り返り、自分自身の価値観・仕事観を明確にすることから始めてみましょう。年代ごとに影響を受けた人との出会いや、影響を受けた出来事、成功体験や失敗体験、当時の趣味や関心事を思い出してみましょう。表にまとめると年代ごとの特徴がわかり、年齢による変化や年齢に関係なく共通するものが見えてくるでしょう。

それに加えて「人生満足度グラフ」を描いてみます。小学校以前、中学校、高校、大学、社会人というような単位で、充実していれば上へ、落ち込んでいれば下へ、滑らかな曲線を手書きで描いていくイメージです。

過去を振り返る一連のワークをすることで、今の自分の価値観や考え方に影響を与えた出会いや出来事があぶり出され、思いがけない気づきを見つけることができます。出会いの例として、学生時代の恩師や会社の上司・上長、先輩や友人などでしょう。両親や家族も含めていいでしょう。出来事の例として、幼少・学生時代の引越しや受験、転勤や転職、大病、結婚や離婚などでしょう。

みなさんも、人との出会いや身の周りに起きた出来事によって、新しい自分の価値観や考え方が醸成されてきたのでは?ガイド自身も、人との出会いによって、これまでのキャリアが形成されてきたと感じています。また、「成功」よりも「失敗」から多くを学んだと実感しています。

さらに、これまでの職務を通じて獲得したスキル・能力のレベルを、どの会社でも共通する普遍的で基礎的なものと業種や職種で異なる応用的で専門的なものに分け、整理しておくとよいでしょう。前者の例としては論理的思考力、プレゼンテーション力、リーダーシップ力などでしょう。後者の例としてはクラウドコンピューティングや管理会計の知識や経験が該当するでしょう。転職活動をする際に職務経歴書を作成しますが、自分を棚卸しするにはよい訓練になるでしょう。
 

キャリアプランの考え方2.現在の自分を知る

次に、今の自分を知ることが肝心です。これまでにどんな能力・スキルを培ってきたのか、それはどの程度なのかを客観的に見てみましょう。通常は職務経歴書のように、新卒で入社した会社以降で獲得した能力(会社の仕事および自己啓発を含め)を中心に整理するとよいでしょう。

これからの社会では、どんな経歴か、どこに勤めているのか、どんな肩書きなのかではなく、実際にその人物がどんなことができるのかということが大切になります。つまり、「顔の見える」個人が求められているのです。そんな人物になるには、卓越したレベルの能力とこれまでの実績が問われてきます。

仕事そのものだけではなく、職場環境や組織風土とのマッチングを図るためにも、自分自身の性格特性やタイプを知ることも重要です。自分の能力が最大限に発揮できる職場環境かどうかや、上司やメンバーとの相性などは組織である以上、無視することはできません。

現在の自分を診断するには、各種自己分析用テストなどを使うといいでしょう。自分の棚卸しを簡単にすることが出来る便利なテストです。いくつかご紹介しておきますので、是非試してみてください。

【自己分析(アセスメント)参考ツール】  

キャリアプランの考え方3.未来の自分をイメージする

3つめは自分の未来理想像を描くことです。とはいえ、マウスイヤーと言われるほど技術革新が速い今日、予測できる未来は最高でも10年くらい。10年後の自分をイメージしてみてください。

どんな風になっていたいのか、どんなものを持っていたいのか、どこに住みたいのかなど、具体的に将来の自分像をイメージ出来れば出来るほど、実現の可能性が高くなるものです。例えば、経済的な側面では、住宅(場所と間取りと金額)、車種、別荘、株券、ゴルフ会員権、預貯金などでしょう。

ここでは、例えば「できればいつの日か高級車に乗りたい」という抽象的なイメージではなく、「何が何でもトヨタの白いレクサスLS460に45歳の時に乗っている」というような具体的なイメージを持ちましょう。理想像ではなくて、欲望の間違いじゃないの? と思われるくらい、強いイメージを持つことが重要なのです。10年後→5年後→3年後→1年後と前倒しで理想像、目的地を明確化する作業が必要です。
 

キャリアプランの考え方4.目標までのプランを作成し、行動する

10年→5年→3年→1年後の目的地、こうありたいという未来像を描いたら、まずは現在の自分とどこが違うのか、そのギャップを認識します。そして、ギャップを埋めるためには何をすればいいのかという「戦略」、つまりアクションプランを立てていきます。

まずは、1年後のイメージ(理想の姿)とのギャップを埋めるには、どうすればいいのかを考え、計画を立て、行動に移していきます。それだけで終わらずに、その次の3年後の理想像に向けて、どんなキャリアを積みたいのかアクションプランを同様に考えていきます。

例えば、1年後までに英語のコミュニケーション力を磨きたいのであれば、バロメーターとしてTOEICのスコアがあります。現在500点であれば、1年後に600点に上げるために何をすればいいのかを明確にし、決めたことを継続してやり抜くのです。

通勤時間には必ず英語ヒアリング用CDを聞く、NHKラジオ講座を習慣化する、過去問を研究するなど、理想とのギャップを埋めるために毎日1時間程度を費やすというアクションプランを策定。そのプランを定着化・習慣化することができれば、目標は達成できるでしょう。
 

キャリアプランにない、予期せぬ出来事への対応はどうする?

1~4の手順でキャリアプランを進めていっても、描いた通りにいかないのが人生です。目標にしている10年後の未来までの間も、これからも次々に新しい出会いや出来事に出くわすはず。そのなかには自ら仕掛けたものではなく、人事異動や組織改編など、会社側の都合で環境が変化することもあるでしょう。日常ではどうしてもモチベーションが上がらない時もあります。

そんな時は、キャリア形成の「節目」にいるんだと捉えて下さい。さらなる自己変革を推進するために、その環境での理想の将来像、つまりビジョンを再設定します。ビジョンが変われば、おのずとそこに到達するためのアクションプランも変わっていきます。

例えば、先の「何が何でもトヨタの白いレクサスLS460に45歳の時に乗っている」を、仕事環境の変化から経済的な余裕がなくなった場合、軌道修正して、「トヨタのハイブリッド車、白いプリウスに45歳の時に乗っている」ということで環境変化に適応させることが必要です。

特に環境変化がなければ、お正月や年度初めなど年1回程度、未来理想像やそこに辿り着くためのアクションプランの実行状況を振り返ってみてください。振り返ってみて、微修正の必要があれば随時行っていくという形で進めていきます。
 

ビジョンをいつも持ち歩くことが夢・目標に近づくカギ!

ビジョンを明確に持っている人とそうでない人とでは、年を経るごとに能力やスキルで大きな差となって表れます。常にビジョンを忘れないように、常に持ち歩く手帳などにメモをしておくと効果は絶大です。

目的が明確であればあるほど、時間の使い方もうまくなります。ガイド自身の話ですが、IBMに入社した頃、10年間隔でビジョンや戦略を描き、それを手帳に挟んでいました。面白いもので10年経過した時点でふと眺めてみると、時期のズレはあるのですが、なかなか実現出来ているものなのです。ぜひみなさんにお薦めします。

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