給与支払いをするなら「給与支払い事務所等の開設届出書」を提出

給料を支払う場合には、所得税を天引きして納税する必要があります。そんなときに税務署に提出するのが、「給与支払事務所等の開設届出書」です。

税務署に「給与支払事務所等の開設届出書」を出すことで、税務署はその後所得税の納税状況をチェックできます。届出書を提出しているのに所得税の納税が行われていない場合は、税務署からハガキなどで確認が入ることがあります。

「給与支払事務所等の開設届出書」は、提出しなくても給与は支払えますし、提出しないペナルティもありませんが、後述の「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」と合わせて提出しておきましょう。

この届出を提出すると、税務署から天引きした所得税の納付のための納付書が郵送されてきますので、納税の際に使用します。

家族への給与支払いは「勤務実態」と「適正な給与額」が必要

「給与支払事務所等の開設届出書」「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出する際、給与の支払い先が家族の場合は、「青色事業専従者給与に関する届出書」も一緒に提出します。これで、個人事業主でも家族への給料を経費に算入できるようになります。

「家族へ給料を払えば、節税効果が大きくなる」と家族への給与支払いを検討する方は多くいます。

ここで注意すべきことは、家族であっても、給料を出すからには勤務実態があり、かつそれに見合った給与額である必要があります。勤務実態がなければ給料は出せませんし、不当に高い給与は税務署の調査対象になる可能性があります。家族への給料は、しばしば節税や所得の分散という目的から語られますが、こうした言葉が一人歩きしないように気を付けましょう。

給与から天引きした所得税は、原則毎月1回納付する

給与から源泉徴収した所得税は、給料を支払った月の翌月10日(10日が土日祝なら後ろ倒し)までに納付する必要があります。

たとえば、6月25日に支払った場合は、7月10日(7月10日が日曜日なら7月11日)までに納付するといった具合です。従業員が複数いれば、全員分を合算して納付します。

しかし、毎月集計して納付するのは面倒ですし、忙しくて忘れることもあるかもしれません。そんな時に便利なのが、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」です。

この書類を税務署に提出することで、毎年7月10日(1月から6月に支払った給料)と翌年1月20日(7月から12月に支払った給料)の2回に半年分まとめて納付することが可能となります。

半年納付の条件として、
  • 常に従業員(家族含む)が10人未満
が必要ですが、個人事業主であればあてはまる人が多いでしょう。この届出書は、前述の給与支払事務所等の開設届出書と一緒に提出します。提出月の翌月から半年納付が適用となるので、給与を支払うことが決まったら、すぐに税務署に提出しましょう。

中には「半年納付だと余計忘れそう」とか「天引きした所得税を使ってしまいそう」などの理由で、毎月納付にしたいという方もいるでしょう。その場合でも、この届出書は出しておきます。

なぜなら、半年納付の特例届出書を出しても、その後毎月納付する分には問題はないからです。

給与を支払う場合に提出する書類のまとめ

給与を支払う際に税務署に提出する書類をまとめると、以下になります。
  • 1.給与支払事務所等の開設届出書
  • 2.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
は同時に提出し、家族に給料を支払う場合には、
  • 3.青色事業専従者給与に関する届出書
をあわせて提出します。

いずれの書類も郵送での提出が可能です。郵送の場合は、税務署に提出した証拠を残しておきましょう。届出書以外に届出書のコピー1枚と切手を貼った返信用封筒を入れておくと、コピーに税務署が受付印を押して返送してくれます。

源泉徴収する税額は、税務署が用意した表を見よう

社員の給料から天引きする源泉所得税の金額は、税務署が用意している表を見れば分かります。

表は、毎年1月に更新されるので、常に手元に最新の表を確認できるように印刷またはパソコンなどに保存しておきましょう。

国税庁サイト

給料の額面(雇用保険や、健康保険・厚生年金保険に加入している場合はそれらの保険料を引いた金額)と、扶養している家族の人数に応じて天引きする所得税の額が決められています。

また副業で働いている人(厳密にいえば、別の会社で「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人)については、乙欄という列に書いてある金額を天引きします。副業かそうでないかで所得税の天引き額が大きく変わってくるので、必ず本人に確認しましょう。

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