起業・会社設立のノウハウ/フリーランスになる

【4-5】 仕事の値段のつけ方(2ページ目)

仕事の値段のつけ方について考えておきましょう。忙しくなったけれど、利益が出ないというのは最悪です。そのためには、適性利益を確保すること。仕事の値付けは、十分な検討が必要です。

執筆者:塚田 祐子

仕事にも「原価」がある!


仕事の適性価格を考える場合にも、原価計算が必要です。しかし、メーカの製造原価や流通の仕入価格のように明確な数値で経費が出せない、労働集約的な仕事(クリエイティブ系、コンサル系、技術・ノウハウ系 他)では、なかなか、「原価+適性利益」を計算することは難しいものです。

また、仕事の価値やサービスを提供するのは人そのもので、外へ支払う経費がほとんどない場合は、原価となる経費が発生していないようにも思えてしまいます。

しかし、ここが落とし穴! 原価の中で一番の経費、それが自分の時間経費です。さらに、知識や知恵、経験からなるノウハウ料。これは、その人が提供できる付加価値であり、ここで仕事の値段のランクが決まってくるというものです。(どうアピールできるかという問題もありますが。)

原価計算

自分の仕事につけた価格が、適性であるかどうか、利益が出るのかどうか、原価計算をしてチェックが必要です。そのためには、自分の時間単価を計算しておきましょう。

■時間単価の計算方法
目標年収から算出:
時間単価=目標年収÷12ヶ月÷月の稼動日数÷1日の稼動時間
※同職種の年収額で算出すると、相場の単価となります。

自分の時間単価を意識するということは、コスト意識を持つことにつながります。


仕事の収益性を考える


前掲の図に書き込みましたが、利益をアップさせる方法には、「掛かる時間の短縮」「付加価値の向上」「経費の削減」が揚げられます。

例えば、売上10万円の仕事のために、掛かった時間がAさんは20時間。Bさんは、5時間とします。時間単価を計算すると、Aさんは、時給5000円。Bさんは、2万円です。経験曲線というものがありますが、人は、同じことを繰り返していくと、だんだん早く効率よく作業が出来るようになり生産性があがります。毎回違うジャンルの仕事を受けるより、専門分野を作ったり、業務範囲を限定するというのも、時間効率を上げる方策となります。

個人で仕事をしていこうとすると、どうしても “安いことを売り”にしてしまいがちです。これは、競合他者との差別化においては安易な方法です。しかし、薄利多売するには、寝ないで仕事をしても1日は24時間、体は1つ、自ずと限界があります。ですから、フリーがとるべく戦略は、高付加価値化と効率化です。

働けど、働けど、我が暮らし楽にならず。じっと通帳の残高を見る。

忙しくはなったけれど、利益が出ないというのは最悪です。そのために、仕事の値付けは、十分に検討が必要です。

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