【1】
平均的なビジネスマンには、1日190の新しい情報が入ってくる。そして探し物をするためだけに1年間に150時間も浪費している。これはほとんど一ヶ月の労働時間に等しい。
ということは、探し物をせずに済めば、年間1ヶ月分の時間が浮く。そうなれば、今よりどれほど多くの仕事ができ、多くの休暇が取れるだろう。
あなたのデスクに積み上げられた文書の山は、あなたの間違った整理法の産物だ。そして文書の山が収まるべきところに収まらない限り、探し物をする時間は減らない。
もし一つですべてカバーできる整理法があればこの問題は解決する。シンプルでわかりやすく、ラクに続けていける整理法が一つあれば、あなたをいらだたせる机の上の山はきれいさっぱり片付くはずだ。
【2】
もし溜め込んだ書類がそこらじゅうで散らかっているなら、まず空きスペースを作るべきだ。これは引き出しや本棚、ファイルキャビネットなど、毎日入ってくる書類を収める場所になる。
引き出しなら少なくとも5センチ、本棚には10センチのゆとりが欲しい。これを作るために段ボール箱と箱に名前を書くための油性のマジック、そして特大のゴミ袋を用意する。
わざわざ空きスペースを作るのは、こうしない限りファイルや引き出し、本棚の中身を捨てないからだ。たとえ中身が古くても、使っていなくても、今後決して使うことがなくても捨てられないのだ。
だが古いものに関わるより、どんどんはいってくる新しい情報にと取り組むほうが大切だ。新しいもののために、ぜひ空きスペースを作るべきだ。
【3】
空きスペースができたら、まずデスクをコクピット(操縦席)にする。つまりどんな仕事も座ったまま仕上げられるよう、事務用品や道具を机の周りにすべて揃える。
道具を使用頻度順に並べ、頻繁に使うものから手元におくようにする。そうしないと、やりかけの仕事の山がデスクの端にどんどん積みあがる。
またわずか数秒の仕事を長引かせる。仕事を中断して席を立つと、戻ってきて仕事を再開するのに20分はかかる。だから毎日使うものは、手を動かせば届くところに置き、これをルールにする。
私達は、一番の時間の無駄は「他の人に仕事を中断されることだ」と考えているが、実は手元に必要なものがないために「自分で自分の仕事を中断すること」こそ中断の元凶なのだ。
【4】
コクピット・デスクを作るには、ファイル・ボックスが必要になる。これを卓上におき、現在使っている書類をここに入れて置く。これでいつでも取り出せるようになる。
反対に何年も日の目を見たことが無い書類は置くべきではない。机の一番近くにあるキャビネットに、ほとんど使わないものが入っていないだろうか?そこが「物が入ったら二度と出てこない場所」になっていないだろうか?
週に一回程度使うものは、腕を伸ばせば届く範囲に置いておく。これも席を立たずに手に取れることが大事だ。月一回程度使うものならオフィスのどこかにあればいい。そばにあったらむしろ邪魔だ。
月に一回も使わないものは、オフィスに置くべきではない。梱包して倉庫やガレージにおいておくべきだ。
【5】
卓上に置いておける3段式のトレーも必要だ。ここに書類を分けて入れる。分け方は“何らかの処理が必要な新しいもの”“保留中のもの”“ファイルしたいと思っているもの”の3つだ。
新しく入ってきた書類は最上段のトレーに入れる。ただしこの書類は、少なくとも毎日一時間を割り当てて処理にあたること。
なお、ここから取り出したものは2度とトレーに戻さない。新たな場所を割り当ててやることをルールにする。
他にもコクピットに必要な道具はいろいろある。ゴミ箱、ペン立て、未使用のファイル、名刺ホルダー、切手や郵便料金表などだ。いずれも自分流にアレンジすればよい。
その時、迷ったら便利な基準がある。それは「ある仕事を終えるまでに何かを取るために立ち上がったかどうか」だ。もしあれば、そのときとった ものはコクピットにおいておくべきものだ。
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