起業・会社設立のノウハウ/フリーランスになる

妹尾みえさん:音楽と言葉は私の表現手段

「ブルースという音楽を紹介したい」「音楽の仕事がしたい」という思いを抱いていた妹尾みえさん。高校時代から音楽専門誌に投稿、大学時代のミニコミが切っ掛けとなって、就職せずにライターの道へ。

執筆者:塚田 祐子

※【All About ライターズ白書】は、フリーライターとして各分野で活躍されている All About のガイドの皆さんへ、「独立」に関するアンケートをお願いし、その結果をご紹介するものです。



プロフィール

1961年、千葉県生まれ。編集者&ライター。
人生の半分以上を「ブルース」だの「ロック」だの「フォーク」だのと過ごしてきたので、音楽専門誌に執筆したり、音楽関係の単行本などの編集をメインに行っています。時にイベントでしゃべりまくったり、たま~にCD作ったりもしてます。
ガイドサイト:「東京」

独立するまで

・小さい頃なりたいと思った職業は:
最初になりたかったのは、鉄腕アトムです。その後、ブームに従い、バレリーナ、バレーボールの選手、マンガ家、アイドル、ビルの管理人(?!) 。どれも本気!だったなぁ。絶対なる!と精進を重ねておりました。

また小3から演劇部に所属していましたが、思い返せば、脚本を書くのがスキ、鉄筆でカリカリとガリ版作るのがスキでした。オリジナルじゃなくて小説のドラマ化。たとえば「雪の女王」を脚本にして、チャイコフスキーのレコードを回して音をつけ、放送劇を作ったりとか。あとは文化祭の企画で遅くまであたふたする感覚も大好きでした。昔の友人に出会って、今やってることを話すと「変わらないじゃん!」と笑われます。

・独立するまでの経緯(学歴、職歴)は:
一番最初に原稿料をいただいた記憶は、中学生のとき。松本隆さんの作詞講座に応募して掲載され、現金書留で送られてきたときの嬉しさは今でも忘れられません。その後、高校時代は音楽専門誌に投稿したりしてました。当時、反響をくださった方とは今でもおつきあいがあります。

で、専門誌に書くようになったキッカケは、大学のとき作ったブルースのミニコミ。もちろん音楽的情熱も大きかったけど、ライターになるためにはどうしたらいいか考えた末の作戦でもありました。自分がココにいる!と、知ってもらいたかったんですね。そう言えば、大学に行きたくなくて、当時できたばかりのジャーナリスト専門学校を見学に行ったことがあります。「ブルースのライターになりたい!」と胸張って言ったら、「写真を見て、すぐに誰だか判りますか。それくらいじゃないと無理」とやんわり断られた…。当時はまだ自信なかったんで、そういうもんかな、とすぐ諦めましたね。

・ライターを選んだ理由は:
とにかく「日本語で書く」ことは、私の想いを伝える手段です。というか、文字を書く、ということそのものがスキなんでしょうねぇ。何を思ったか親のススメで幼稚園から日記をつけていたし、作文や読書感想文は胸躍る時間でした。あと、親から後に残るようなものは出してはいけない、と散々言われましたが、今でもスキな人がいたらまずラヴレターを書いてしまいます!

私の場合、ライターという選択肢が生まれてきたのは高校生のとき。でも、常にあったのは「ブルースという音楽を紹介したい」「音楽の仕事がしたい」ってことだったので、そのひとつがライターだったという感じです。だから生まれ変わったら、演奏したり演技したりする側になりたい。

不器用な人ほど、何かしら自分の気持ちを表現する手段をもっているし、持つことが生きていくのに必要不可欠だと思います。そういう意味では、書くという行為は、生きていくためのひとつの手段かな。

・独立しよう!と思い立った切っ掛けは:
そんなわけで、独立しておりません。今でもみんなで本を作ったら楽しいのになぁと思います。ただ、へそ曲がりだったのは確かですね。ありきたりに就職はしない!みたいな。ただ、怠け者だったのかもしれませんが。

独立してから

・フリーランス歴:
正社員になったことがなく、恥ずかしながら独立したという自立意識がありません。
初めてライターの仕事をしてからは20年がすぎてます。でもずっとふらふらしていたし、自信がなかったので「私はライターです」と胸を張って言えるようになったのは、30半ばくらいかな。その間、イベンターになりたかったり、DJ(ラジオのです)になりたかったり、まぁ家庭の事情もあったし、中途半端でしたね。しかも最近、切実に稼がねばならない、という焦りがありまして、真の独立を遅ればせながらもくろんでいます。

・独立当初、仕事やクライアントをどうやって見つけたか:
最初はライターになりたい!と事あるごとに触れて回っていたので、声をかけていただけてた感じですね。もう背伸びのしっ放し。コンテストに応募したりもしたけど、ことごとくダメでした。逆に感動した本があったり、今これをやらねば!と思うと、その人に手紙を書いたりした、その方が効果的だったかも。
あとは、私、趣味はミニコミ作り、と言われるほど、何かに夢中になると、自分で本やら通信やらを作るんですね。それが仕事に結びついていくことはよくあります。

誰だって最初は未経験。だから誰もが背伸び! 目一杯背伸び → 成長 → また背伸び…。


・フリーになって後悔したのはどんな時:
怠惰で営業がヘタだということ。たまにやっぱり就職した方がよかったかなと思います。石橋を叩いて壊れてても渡ってしまう、ところが裏目に出ると、しまった、と後悔してます。

・独立後、ライターに必要だと思ったスキルは:
得意技。編集眼。職人魂。

・独立後、フリーランスに必要だと思ったスキルは:
愛される人柄。不屈の魂。身の軽さ。

・仕事の値段は:
だいたい、言われるまま。ダメですねぇ。

・フリーになっての収支決算はどう?と聞かれたら:
常にマイナスではないかと。

・日々の営業活動は:
そういうサイトに登録したり、あとは「やりたい!」と触れ回ること。あんまり変わってないですね。背伸びしたまんまです。

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