◆マンションは収納が少ない
マンションなどの集合住宅は戸建住宅に比べ収納量が少ないと言われています。その理由のひとつとして鉄筋コンクリートなどの太い柱や梁(はり)で覆われているため、利用出来る空間が戸建などの在来工法より少なくなってしまうからです。
時代とともに専有面積自体が広くなることで、ウォークインクローゼットなど、収納は増えては来ましたが、デッドスペースを活用することで全戸に床下収納を標準装備したマンションが登場しました。
その仕掛け人は大分県にある大手建設会社(株)さとうベネック。その名もタスク工法「コロンブスの床」(特許申請中)と命名され、全国の十数物件で採用が決まっています。
◆床下収納の仕組みとは
どういう仕組みかというと、マンションのトイレ・浴室・洗面所などはリビングや居室より天井が低くなっています。それは天井裏に排気用のダクトを通さなければならないからですが、実際に覗いてみると意外に空スペースが多く、この天井裏の空間を上の階の床下収納に利用しているのです。
このように床下収納を全戸に設置すると本来であれば階高(※)が上がるため建設コストもアップしますが、「コロンブスの床」の場合はデッドスペースを活用することで階高を高くする必要がなく、通常の3~5%のコストアップで済んでいます。ユーザーにはうれしい限りです。
今後は床下収納だけでなく「掘りごたつ」としての利用も検討しており、住み手に夢を与えてくれる気がします。
※階高:マンションは上下をコンクリートスラブで覆われていますが、床下のスラブから天井のスラブまでの高さのこと。居室の天井高とは違う。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。