商品を売るだけでなく、フリマ自体を自分の手で活性化させてみたくなったんです。宣伝を工夫すれば、より多くのお客を集めることができるのではないか。そうなれば出店者数も増え、もっとエキサイティングな会場に育てていけるのではないか、と。そこで、平成9年、思い切って賃料4万円の小さな公営ホールを借り、主催に踏み切ったのです。
刷ったチラシは2万枚。印刷費は15万円かかりました。ブースは30ほど。出店料金は3000円だったので結局、大赤字でした(笑)。しかし、当日は2000人以上の来場者で大賑わい。近隣の駐車場がパンク状態となり、慌てたくらいです。
口コミで広がったらしく、次のフリマには50件の出店希望が集まりました。こうなると、お客さんを減らすことはできません。赤字覚悟でチラシを刷り、自ら配布して回りました。
本業には差し障りなかったのですか?
会の規模が大きくなるにつれ、平日、本業に専念することは難しくなっていきました。すでに十数年間、父親が経営する塾で講師を務める傍ら経営補佐をおこなってきた私でしたが、フリマへの思いはやむにやまれぬものになっていたのです。そこで、実家を離れていた兄に、戻って家業を継いでもらうことにし、自身はとりあえず第一線を離れました。
管理者としてトラブルに遭遇することは?
「買った服が気に入らない」「小さな穴が開いている」などさまざまなクレーム処理に悩まされることもあります。といっても、どのブースの商品なのかわからず対処のしようがないケースが多い。また、当日は事故が起こらないよう、万全の注意をしなくてはなりません。開催中は胃が痛くなる思いですよ(笑)。
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●フリマはいわばインキュベータ?
現在は、会員数3万人を誇る大規模なフリマに成長していますが
とにかくお客さんを減らさないよう、努力を続けてきました。チラシ、ウエブ、雑誌、看板、ポスターなどあらゆる媒体を使い宣伝に力を入れています。とくにチラシは、わざわざ購入した専用の印刷機で刷り、自ら配布して回るなど、手間と労力を惜しみません。
手作り品や子ども用品に特化したイベントなども企画しています。現在では、年間開催数は100回以上。おかげさまで「活性化させたいから、ぜひウチで開催してくれ」と商店街からお招きを頂くこともありますよ。
どんなときにやりがい感を感じますか?
最初はなんとなく、商品を並べてぽつんと座っていた人がやがて、並べ方を工夫し、品揃えに流行を取り入れ、積極的に客寄せするようになっていく様子を見ているとじつにわくわくしますね。
なかには、フリマにはまった挙句、実際に独立起業してしまう人もいます。とくに、子供服を扱っていた人が、後に独立して大手デパートで実店舗を持った事例、手作り作品を売っていた主婦が、教室を開き、講師になった事例などは印象的でした。
その意味で、フリマはいわば、商業インキュベータの役目も果たしているといえます。こんな点も、私がフリマをやめられない大きな魅力かもしれません。これからもぜひ多くの方に、お客さんとの駆け引きを楽しみ、商売の醍醐味を味わえるフリマを体験してほしいですね。
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