起業・会社設立のノウハウ/起業・独立事例

起業の夢と現実:第1回 豊田圭一氏(2ページ目)

起業を考える皆さんが本当に気になる「実際に起業してみて、結果どうなの?」というポイントにフォーカスを当て、少し変わったビジネスモデルを実践している社長に起業前後のさまざま変化について伺っていきます。

執筆者:日下 康幸

起業の夢と実現度合い:40%

GM
豊田氏が社長と勤めるグローバルモバイルHP
豊田氏の起業の経験はなんと3回。そのひとつひとつのステージについて伺ってみよう。

一度目の起業:留学コンサルタント
最初の海外留学コンサルティング会社起業は先輩のアイデアに、後から乗った形だったということで、「起業に参画できるということでワクワクした気持ち」だったとか。しかし、逆に起業に対して夢を持っていたわけではないとのこと。

二度目の起業:SNSの企画・開発会社
2度目の起業は2003年にSNS開発会社の創業。当時、アメリカでSNSが流行り始めたので、それを日本初で世に出そうとの考えだったとか。まだこの時点では、mixiや今年12月に上場するGREEもまだ世に出ていない段階。結果的には開発の遅れなどもあって、mixiとGREEに先を越されたということだが、自分たちは彼らとポジショニングを変え、C向け(コンシューマー向け)ではなくB向け(ビジネス向け)で行くということを決定。世界初で企業向けSNSを企画・開発した。ただ、豊田氏自身は本業であった海外留学コンサルティング会社の状況悪化とタイミングが重なってしまい、1年間で手を引くことになり、悔し涙を飲んだとか。その企業は今でも良い状況で存続しているので、起業の実現度は高いと言う。

三度目の起業:ついに社長に!
そして、2005年からついに社長として、3つ目の起業をする。これが、現在も氏が社長と勤める留学生向け海外携帯電話のレンタル事業だ。

実は、最初に起業した海外留学コンサルティングを始めた当初から、留学生に対して国際電話のサービスを紹介していた。1度目の留学コンサルティングビジネスを通じ新しいビジネスニーズを発見した格好となる。「サービス自体はよく分かっていましたし、さらに1999年には国際通信を扱う会社から留学生向けのサービスを作ってくれないかと依頼され、1年間の顧問契約をして、留学生向け国際電話コーリングカードサービスというものを立ち上げた経験もありました。」

留学と通信という通常の生活では目が届きにくいニッチなビジネスを見つけ出したのが、留学生向け海外携帯電話のレンタル事業。起業後3年弱ということで、「夢実現」という意味では「まだまだ」というが、短期的には状況は決して悪くないという。しかし、日進月歩の通信業界なだけに、中長期的にはサービスの見直しやビジネスモデルの変更なども必要になるだろうと想定しているとのこと。

最初の起業から14年間を振り返って
豊田氏の起業は、海外留学コンサルタントから始まり、SNSをアプリケーションを開発するIT起業、そして現在の留学生向け通信事業へと変化してきた。この事を振り返り氏は、「紆余曲折がありながらも、時代のニーズに合わせて、提供するサービスを適応させ、今に至っている。」といい、「実現レベルはまだまだだが、現時点での満足度は高い。」という。

次回は豊田氏の起業時、そして現在のビジネスモデルがどう進化してきたのかを伺っていきます。
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