企業のIT活用/IT経営の基礎知識

ザ・ビジネスモールで事業者を探す(3ページ目)

「ネットワークの価値は、ユーザ数の二乗に比例する」というメカトーフの法則があります。これを実践しているのが全国の商工会議所、商工会が運営しているマッチングサイト「ザ・ビジネスモール」です。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

ザ・ビジネスモールは助成金からスタート

ザ・ビジネスモール事務局は大阪商工会議所・経営情報センターにあります。さっそく、お話をうかがいましょう。

ガイド:「もともとは助成金でスタートされた事業なのですね」

ザ・ビジネスモール:「商工会議所の取引相談事業の一環として、コンピュータを用いた会員企業間の取引マッチングが作れないか仕掛けを考えていました。10年前は近畿2府5県の71商工会議所で構成された『近畿商工会議所連合会』会で助成金を考えずに独自で立ち上げようとしましたが、当時の通産省が『先進的情報システム開発実証事業』を募集しているのを見つけ、応募し採択されました。この事業で作成されたシステムはたくさんあったのですが、現在まで10年以上サービスを続けているのは『ザ・ビジネスモール』と『楽天トラベル』だけになってしまいました。」

※楽天トラベルの歴史に通産省の助成金に応募した話が掲載されています。
→ 【楽天10周年記念特集】「楽天トラベル」のシステム

ガイド:「10年続くのはすごいですね。成功の秘訣はどこらへんにあったんですか」
企業データを18万件集め入力
企業データを18万件集め入力

ザ・ビジネスモール:「助成金をシステム構築だけではなく、企業データを集めるために使った点ですね。各地の商工会議所から企業データを18万件集めました。その時点から「活用できる企業データ」として認知され、次第に問い合わせも増え、現在まで続くシステムとなりました。また商工会議所では法律に基づき、それぞれの商工会議所の管轄エリアの事業者台帳を管理していています。ところが、各商工会議所は、おのおので事業者データを管理しており、データの形式が統一していません。そのため、ザ・ビジネスモールに掲載するための仕組みを各商工会議所ごとに個別に作り、そこで取り出された事業所データを届けていただいたり、大阪商工会議所の職員が手分けして各地商工会議所を直接訪問して、事業所データをお預かりしてきました。」

ガイド:「まさに人海戦術だったんですね」

ザ・ビジネスモール:「中にはデジタル化されていないところもあって、紙の企業データはパンチ業者に依頼して入力作業を行いました。今思うと、助成金があったからここまで出来たのだろうと思います。」

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