100匹目の猿現象とは
100匹目の猿という不思議な現象がある |
海水で芋を洗って食べる行動をする猿の数が閾値(例えば100匹)を越えると群れ全体に広がるようになりました。また不思議なことに離れた場所の猿でも突然、海水で芋を洗って食べはじめました。
そこでアメリカの科学者ライフ・ワトソンが「一定の閾値を越えると、その行動は離れた場所の猿にも伝わるのではないか」と考え、『100匹目の猿現象』と名付けました。
読者の方から指摘いただきましたが、ライフ・ワトソン自身が『100匹目の猿現象』を創作と認めています。ガイド記事ではクリティカルマスの分かりやすい事例ということでご理解ください。
瞬く間にひろがる流行はそんなものかもしれません。マーケティングの世界ではこの閾値のことをクリティカルマスと言っています。
クリティカルマスとは
クリティカルマスとは100匹目の猿と同じ閾値のこと |
新しい商品やサービスを最初に受け入れるのはイノベーター(革新者)と呼ばれる集団です。皆さんの周りにも例えばワンセグ対応の携帯電話やiPodが初めて出た時にいち早く手に入れ、周りに自慢するような知り合いがいると思いますが、これがイノベーターです。
次にイノベーターの口コミなどを通じてアーリーアダプター(早期採用者)が動きます。まだまだ潜在的顧客の一部でしかありません。イノベーターが動き、アーリーアダプターが動いている間にクリティカルマス(閾値)をこえ、多数が動き出すようになります。つまり商品やサービスがヒットすることになります。
ITの世界では「ネットワーク外部性」という言葉もよく使われています。
ネットワーク外部性とは
ネットワーク外部性とはサービスを使う利用者が多ければ多いほど、サービスから得られる効用が高まることを言います。効用が高まることで、さらにサービスを使う利用者が増え、ますます効用が高まるさらに利用者が増えるスパイラル状況になります。例えば「OKWave」がそうです。参加者が少なければ質問しても的確な答えが返ってきません。参加者が多ければ多いほど量が質になり、より的確な答えが返るようになります。皆が使うようになれば質問するならOKWaveと指名され市場を独占することになります。