企業のIT活用/IT経営の基礎知識

101匹目の猿がウェブビジネスを成功に!

Webビジネスにおいてはいかにクリティカルマスを越えるかが勝敗の分かれ目で、いったんクリティカルマスを越えれば急速に市場へ広まっていきます。そのための鍵が101匹目の猿です。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

100匹目の猿という不思議な現象をご存知ですか。

100匹目の猿現象とは

100匹目の猿という不思議な現象がある
100匹目の猿という不思議な現象がある
猿の研究で驚く発見がありました。宮城県の幸島に住む猿を観察していると猿の一匹が海水で芋を洗って食べるようになりました。芋の塩味がおいしかったのか、他の猿も海水で芋を洗って食べるようになりました。

海水で芋を洗って食べる行動をする猿の数が閾値(例えば100匹)を越えると群れ全体に広がるようになりました。また不思議なことに離れた場所の猿でも突然、海水で芋を洗って食べはじめました。

そこでアメリカの科学者ライフ・ワトソンが「一定の閾値を越えると、その行動は離れた場所の猿にも伝わるのではないか」と考え、『100匹目の猿現象』と名付けました。

読者の方から指摘いただきましたが、ライフ・ワトソン自身が『100匹目の猿現象』を創作と認めています。ガイド記事ではクリティカルマスの分かりやすい事例ということでご理解ください。

瞬く間にひろがる流行はそんなものかもしれません。マーケティングの世界ではこの閾値のことをクリティカルマスと言っています。

クリティカルマスとは

クリティカルマスとは100匹目の猿と同じ閾値のこと
クリティカルマスとは100匹目の猿と同じ閾値のこと
クリティカルマスとは100匹目の猿と同じ閾値のことで、この閾値を越えると商品やサービスが一気に広まることをいいます。

新しい商品やサービスを最初に受け入れるのはイノベーター(革新者)と呼ばれる集団です。皆さんの周りにも例えばワンセグ対応の携帯電話やiPodが初めて出た時にいち早く手に入れ、周りに自慢するような知り合いがいると思いますが、これがイノベーターです。

次にイノベーターの口コミなどを通じてアーリーアダプター(早期採用者)が動きます。まだまだ潜在的顧客の一部でしかありません。イノベーターが動き、アーリーアダプターが動いている間にクリティカルマス(閾値)をこえ、多数が動き出すようになります。つまり商品やサービスがヒットすることになります。

ITの世界では「ネットワーク外部性」という言葉もよく使われています。

ネットワーク外部性とは

ネットワーク外部性とはサービスを使う利用者が多ければ多いほど、サービスから得られる効用が高まることを言います。効用が高まることで、さらにサービスを使う利用者が増え、ますます効用が高まるさらに利用者が増えるスパイラル状況になります。

例えば「OKWave」がそうです。参加者が少なければ質問しても的確な答えが返ってきません。参加者が多ければ多いほど量が質になり、より的確な答えが返るようになります。皆が使うようになれば質問するならOKWaveと指名され市場を独占することになります。

Webビジネスでは101匹目の猿を見つけなければなりません
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます