マンション購入術/マンション購入の失敗・トラブル

意外と知らない窓ガラスの性能 防犯・結露対策は窓ガラスから(2ページ目)

技術の進歩と性能表示など法的整備のおかげで住宅の品質や性能は格段に上がっていますが、結露や防犯問題はいまだ解決できていません。今回は「窓」とマンション生活の関係を考えてみます。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド

■複層ガラスの性能
住宅も「スクラップ&ビルド」から「いいものは長く大事に」する精神が根付きだし、環境問題とも絡めて断熱性能に対する取組みが目立って来ています。こうしたあおりを受けて、最近の新築マンションでは「複層ガラス」を採用するケースが増えているようです。

複層ガラス(ペアガラスと呼ばれることもあります)とは、サッシ自体は単層のまま板ガラスを2枚はめ込み、ガラス同士は密着させずに間に中空層を設けることで一枚ガラスにくらべ高断熱性能を発揮する設計となっています。

板ガラスを2枚張り合わせてしまうと、一枚ガラスの厚みを厚くしたのと同じ効果しか期待できず、空気層があることで断熱性をもち、室内外からの熱貫流(※)を遮るため一枚ガラスの場合と比較して、外へ逃げる熱を低減することができます。

※熱貫流とは熱エネルギーが窓ガラスを通して温度の高い空間から低い空間へ伝わる現象


■世界初!複層構造の中空層を真空にした真空ガラス
複層ガラスは中空層が重要な役割を果たしますが、この板ガラスの間には乾燥させた空気を入れているのがほとんどです。

この中空層を真空にすることでさらに断熱性能を高めたガラスメーカーもあり、一枚ガラスの約4倍、一般的な複層ガラスのおよそ2倍の効果を得ることができるようになっています。

同時に、従来の複層ガラスは厚さが12mm以上あるため専用のサッシやアタッチメントを必要としましたが、真空ガラスは6mmの厚さで済むため、リフォームの際にいままでのサッシをそのまま利用した交換が可能となっています。

■高断熱ガラスにすると・・・
最後に、高性能の窓ガラスの特長についてです。
  • 結露の防止効果
  • 断熱効果
    →窓ガラスによる熱の貫流率が抑えられるようになり、冷暖房効率が高まります。
  • 光熱費の削減(省エネ効果)
  • カビやダニの発生を低減できる
  • 住宅ローンを利用する場合、優遇金利や割増融資の特典を受けられる場合がある
高断熱・高気密化することで外的環境から守られ、快適な生活が送れるようになりますが、反面、空気の乾燥やシックハウス、体温調節機能の低下なども懸念されます。“温室人間”にならないように注意することも不可欠です。

続編で「防犯と窓」についてお伝え致します。お楽しみに!!

【取材協力】日本板硝子株式会社 まどなび研究室
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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