住宅も「スクラップ&ビルド」から「いいものは長く大事に」する精神が根付きだし、環境問題とも絡めて断熱性能に対する取組みが目立って来ています。こうしたあおりを受けて、最近の新築マンションでは「複層ガラス」を採用するケースが増えているようです。
複層ガラス(ペアガラスと呼ばれることもあります)とは、サッシ自体は単層のまま板ガラスを2枚はめ込み、ガラス同士は密着させずに間に中空層を設けることで一枚ガラスにくらべ高断熱性能を発揮する設計となっています。
板ガラスを2枚張り合わせてしまうと、一枚ガラスの厚みを厚くしたのと同じ効果しか期待できず、空気層があることで断熱性をもち、室内外からの熱貫流(※)を遮るため一枚ガラスの場合と比較して、外へ逃げる熱を低減することができます。
※熱貫流とは熱エネルギーが窓ガラスを通して温度の高い空間から低い空間へ伝わる現象
■世界初!複層構造の中空層を真空にした真空ガラス
複層ガラスは中空層が重要な役割を果たしますが、この板ガラスの間には乾燥させた空気を入れているのがほとんどです。
この中空層を真空にすることでさらに断熱性能を高めたガラスメーカーもあり、一枚ガラスの約4倍、一般的な複層ガラスのおよそ2倍の効果を得ることができるようになっています。
同時に、従来の複層ガラスは厚さが12mm以上あるため専用のサッシやアタッチメントを必要としましたが、真空ガラスは6mmの厚さで済むため、リフォームの際にいままでのサッシをそのまま利用した交換が可能となっています。
■高断熱ガラスにすると・・・
最後に、高性能の窓ガラスの特長についてです。
- 結露の防止効果
- 断熱効果
→窓ガラスによる熱の貫流率が抑えられるようになり、冷暖房効率が高まります。 - 光熱費の削減(省エネ効果)
- カビやダニの発生を低減できる
- 住宅ローンを利用する場合、優遇金利や割増融資の特典を受けられる場合がある
続編で「防犯と窓」についてお伝え致します。お楽しみに!!
【取材協力】日本板硝子株式会社 まどなび研究室