そこで、外気との接点である「窓」に注目し、結露との関係を探ってみましょう。
■「窓」の語源をひもとけば・・・
窓は本来、屋根又は壁に空けられた穴のことで、この概念は西洋のものだそうです。西洋建築の歴史をたどれば、石やレンガを組積した壁に窓をもうけることは工法的に難しかったようです。
その点、日本は木材資源に恵まれ柱と梁(はり)で建物の荷重を支える「軸組み工法」が主流のため、壁に開口部をもうけることが容易でした。と、いうより日本の住まいは垣根を外壁と考え、もともと内壁はできるだけふさがず、夏の暑さや湿気から守る開放的な造りとなっていました。
では窓の語源とは何かというと、日本に「マド」という言葉が輸入されたとき、それに相当するものがなく、柱と柱の間の戸という意味で『間戸』と名付けられたそうです。壁に空けられた穴ではなく、戸の一種と考えられていたようです。
■どうして結露は発生するの
これからの季節、寒くなってくると朝、窓ガラスが水滴でビジョビジョになっていることがよくあります。これが結露ですが、この現象はなぜ起こるのでしょうか?そのメカニズムを科学してみます。
「空気中には水蒸気を含みますが、温度が同じならばこの水分が多い・少ないが湿度が高い・低いとイコールです。逆に、水分量が同じならば、温度が高い方が湿度は低く、温度が低い方が湿度は高くなります。水蒸気が外的要因により飽和状態を超えると水滴となり液化します。これが結露の正体ですが、上記外的要因となるのが、室内と外気との温度差です。水を沸騰させた場合、沸点(一気圧では10を超えると水は蒸気となるのはご存知だと思いますが、逆に水蒸気を冷すことで露点に達すると空気が液化して水滴となります。
冬は特に室内外の温度差が大きいため、空気中の水分は露点に到達しやすく、その結果、寒い朝は窓ガラス一面が水びたしとなってしまうのです。
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