企業のIT活用/生産管理/物流/在庫管理

生活を変える電子タグの普及がまもなく(3ページ目)

電子タグが注目を集めています。生産管理、製品のトレーサビリティ、マーケティングなどへの活用が期待されています。電子タグとはどんなものか、どう活用できるのか、課題はなにかみていきましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

カバンの中身が分かる

最後はプライバシーの課題をみていきましょう。
カバンの中身が分かる
カバンの中身が分かる

一つが『コンテンツプライバシー』いわゆる何を持っているかが外部から分かる課題、もう一つが『ロケーションプライバシー』つまりどこにいるかが分かる課題です。

電子タグのついた商品をカバンなどで持ち歩いていると、誰かが読み取り機で読み取ることが可能です。例えば本であれば何の本を読んでいるかが外部から分かることになります。

電子タグに限らずプライバシーと生活の便利さとはトレードオフの関係になります。プライバシーをしっかり守るのであれば、必ず現金で買物をし、クレジットカードは使わない。まして通信販売などは利用しない。もちろんマイレージやポイントは貯めませんし利用もしません。

少し極端ですが、プライバシーを守ることと生活の便利さや快適さはトレードオフの関係になるということです。また何かメーカーで不具合が起きてもトレースフォワードのサービスを受けられないことになります。

電子タグに限らず、不正を行う事業者がいればプライバシーは守れません。消費者としてはしっかりした事業者かどうか見極める必要があります。

現状では、まだまだ電子タグそのものが高く、お店では販売時に商品から外して回収します。プライバシーについては、もっと電子タグが普及してからの課題になります。

プライバシー保護ガイドラインが公表されています

電子タグの普及に向けて経済産業省・総務省が共同で「電子タグに関するプライバシー保護ガイドライン」を公表しています。
本なら電子タグの入ったページを切り取る
本なら電子タグの入ったページを切り取る

ガイドラインの対象は電子タグを活用する事業者で、商品を販売した後も電子タグをつける場合のガイドラインとなっています。

まず事業者は電子タグがついていることを表示しなければなりません。また消費者が電子タグの読み取りをできないようにしたい場合、その方法を開示しなければなりません。

例えば本なら電子タグの入ったページを切り取ります。アンテナとICチップの結線を切断/接続できるタグもあります。

自ら自衛するのなら電波を通さない素材のバッグにいれれば大丈夫です。電子タグに金属シールをはると読取距離をうんと短くすることができます。

経済産業省では企業をまたがった電子タグの活用を色々な業界で実施しています。
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