企業のIT活用/会計/確定申告・青色申告

弥生会計・導入編 科目設定を行う(2ページ目)

弥生会計で科目設定、補助科目設定を行います。設定しなくてもそのまま使えますが、補助科目を設定することで経営判断に必要な様々な会計情報を得ることができます。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

売掛金、買掛金の補助科目を設定する

売掛金はバーの「ツケ」と同じ
売掛金はバーの「ツケ」と同じ
補助科目で他に必要なのは売掛金、買掛金です。売掛金というのはいわゆる「ツケ」のことです。

物の販売でみてみましょう。販売が1回ではなく恒常的に何回もある場合は、販売のたびにいちいち現金を受け取らず、月末に締めて、その月の合計額を計算して取引先に請求します。物を売った時に現金を受け取りませんので、いわば「ツケ」で売ったことになります。これが「売掛金」です。

取引先から請求額分が口座に振込された時点で「口座」の額を増やし、「売掛金」を相殺します。「買掛金」は「売掛金」の反対で、物を買ったのに現金を払わず、「ツケ」で買っていることになります。月末になると取引先から請求が届きますので、取引先の口座へ振り込みます。これで「口座」の額が減り、「買掛金」と相殺されます。

取引をしている相手は複数社ありますので、どこの売掛金、買掛金か把握できるように、それぞれの補助科目に取引先の名前を設定していきます。

売上の補助科目を設定する

複数の事業なら売上の補助科目を設定する
複数の事業なら売上の補助科目を設定する
1社で複数の事業をしている場合は売上に補助科目を設定しましょう。

例えば、自動車販売で車の販売収入と損保の手数料収入がある場合は、補助科目として「自動車販売」、「手数料」と設定しておけば事業ごとの売上が明確になります。「恵比寿営業所」、「目黒営業所」のように営業所ごとの売上を把握したい場合は営業所ごとに補助科目を設定します。

財務会計と管理会計という言葉があります。財務会計とは企業の外部向けに作成される帳票です。一般の会社ではいわゆる税務署に出すのに必要な財務諸表(貸借対照表、損益計算書)になります。例えば「売上」は税務署ではトータルの売上が分かれば税金の計算ができますので部門ごとや事業ごとの売上は求められません。

管理会計とは社長や経営幹部が経営判断するのに必要な会計情報です。全体売上だけを見ていたら分かりませんが、恵比寿営業所の売上が上がっているが、目黒営業所の売上が下がっていたら、目黒営業所に対して手を打つことができます。これが管理会計です。

弥生会計の設定のまま使っても財務会計の面ではOKですが、せっかくの会計ソフトですので補助科目を設定し、管理会計を目指しましょう。他にも給与なら直接部門(製造や営業)と間接部門(総務や経理)という補助科目を設定したり、旅費交通費なら従業員の定期などの交通費なのか営業のための交通費なのかで管理することができます。

また確定申告書の添付書類として勘定科目内訳書を提出しなければなりませんので、預貯金、受取手形、売掛金、仮払金、棚卸資産、有価証券、固定資産、仮受金、借入金及び支払利子、役員報酬手当等及び人件費では補助科目を設定しておきましょう。

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