企業のIT活用/IT経営の基礎知識

表計算ソフトは学生が作った(3ページ目)

『トリビアの泉』シリーズNo4です。最初の表計算ソフトは学生が作り、ロータスはインド哲学から生まれ、エクセルはマック版が最初だったってご存知でした?詳しくはガイド記事をどうぞ。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

■最初の表計算ソフトは学生が作った
■表計算ソフト・ロータスはインド哲学から生まれた
■エクセルはマック版が最初だった
■エクセルの商標登録は19年も後だった!

エクセルはマック版が最初だった

マイクロソフト社の『エクセル』が、製品として初めて出たのはマッキントッシュ版が最初でした。
エクセルはマック版が最初
エクセルはマック版が最初

マック版が発売されたのが1985年のことです。ウィンドウズ版は1987年に発売されます。

アップル社を創業しマッキントッシュを誕生させたスティーブ・ジョブズとマイクロソフト社のビル・ゲイツは犬猿の仲だと言われたりしますが、戦国時代さながらのパソコン業界ですので、くっついたり離れたりというのは日常茶飯事です。現在もまたくっついていますが、20年ぐらい前もくっついていました。

1983年にウィンドウズを作ると発表したマイクロソフト社でしたが、MS-DOSと違い簡単に作れるものでもなく、何度も発売が遅れるので「幻のソフト」と呼ばれていました。IBMと共同でOS/2というプロジェクトを始めたり、色々と迷走していた時期でもあります。
難航した開発
難航した開発

1985年にようやくウィンドウズが発売されましたが不評で、1990年にウィンドウズ3.0が登場してやっと一定の評価が得られました。

一方のマッキントッシュの方は1984年の発売以来、好評でした。この時期、ビル・ゲイツが「MacOS」のライセンス公開をアップル社に申し入れたこともあります。

もしアップル社が「MacOS」の外販を始め、ウィンドウズが発売されていなかったら現在のパソコン業界はかなり変わっていたことでしょう。アップル社は独自路線にこだわり実現はしませんでした。そんな時代の話です。

エクセル開発プロジェクト「オデッセイ」

当時はロータス社から出ていた『ロータス1-2-3』が表計算ソフトのデファクト・スタンダードでした。

実際、このソフト1本の売上だけで、マイクロソフト社の売上を上回っていました。1983年、このロータス1-2-3に対抗するためにコードネーム「オデッセイ」というプロジェクトがマイクロソフト社に組織されます。
ロータスがトップシェア
ロータスがトップシェア

当時、ロータス社ではマッキントシュ向けにJazzという統合ソフトを開発中で、オデッセイはJazzに対抗するため、MS-DOSを提供していたIBM-PC向けではなくマッキントッシュ用に開発することになります。

ジョブズはJazzと同じように統合ソフトの機能を持たせるようビル・ゲイツに進言しましたが、ゲイツはマルチウィンドウ環境が実現すれば統合ソフトは意味をなくすと反対し、表計算機能に的を絞って開発しました。

1985年Jazzと同時期に『エクセル』が発売されましたが、『エクセル』の方が使い勝手がよいと評判となり、また『エクセル』を使うためマッキントシュが売れました。

『エクセル』はウィンドウズに移植され、1987年にウィンドウズ版がようやく発売されましたが、こちらはウィンドウズVer2.0自体が不評でしたので、最初は泣かず飛ばずでした。今では考えられませんが。

※追加トリビア
ワードとエクセルがセットになったオフイスは1993年に登場。
ウィンドウズXPの開発コードネームにも『オデッセイ』が使われました。

 最後はエクセルの商標登録は19年も後だった! >>
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