●兵農分離 |
信長の隠れた目的が兵農分離です。この時代の兵士は、普段は農耕を行い、戦があれば武装して城に駆けつけるというスタイルでした。必然的に農閑期にしか戦ができないことになります。
そこで、信長は、農地を開拓する長男をはずし、農家の三男などを集め、これを常備軍としていきました。これは戦国時代では画期的なことで、信長軍は365日戦える手段を手にすることができました。
他の戦国大名は居城地にこだわり、あいかわらず農閑期を中心に戦を繰り広げていました。
●守りのIT投資、攻めのIT投資 |
IT投資には「守り」と「攻め」があります。
「守り」のIT投資というのは、例えばシステム導入によって省力化をしたり、手書きをやめ転記ミスや計算ミスの発生を防ぐようなIT投資です。
反対に「攻め」のIT投資は、市場を見て儲かる仕組みを作りだすことにあります。
●攻めのIT投資を考える |
基本的に卸が昼間の配送しかしていない業界で、ある卸の営業マンが都心の取引先から相談を受けました。
この報告書を見た経営者が、都心では同じようなニーズをもつ小売がますます増えるのではと考えました。
遅い時間帯への配送は人員の配置などコストが増えますが、卸価格以外に小売店の在庫コストよりも安い手数料を呈示すれば受け入れてもらえるでしょう。またサービスの拡充をPRし、今まで取引のなかった小売を取り込むことも可能となります。
この経営者はさらに一歩考えました。
他の卸は昼間の配送という固定観念で動いており、そこに当社が24時間対応を打ち出せばどうだろう。
時間帯の延長ぐらいではすぐに追随されるが、これなら追随は難しくなる。いつ頼んでもOKというイメージが定着すれば当社にとって大きな強みになる。
また24時間対応でいつでも配送ができる卸にすれば、今後、どんな営業時間の小売が出てきても対応できる。また当社からメーカーに夜向けや早朝向けという新しい商品の企画を提案してニーズを掘り起こすこともできる。よし、これでいこう。
方針が決まったら、自社のビジネスの流れを対応できるように見直します。
その時点で自社のシステムが適合しそうになければ新たなシステムを考えます。これが「攻め」のIT投資です。
ただし、市場は常に変化をします。次のニーズに適合しなくなるその前に、新しいニーズをとらえ、自社を変えていかなければなりません。
信長は市場にあわせて、小牧城から岐阜城、そして安土城へと居城を移しました。