スーパー店頭ですすめると高いものが売れる?
スーパー店頭で買い物に来た人に対して、LOHAS度、健康・環境・鮮度を提示することで商品を変えずに高付加価値商品が売れるかどうかの実験です。スーパー店頭ですすめると高いものが売れる |
2006年10月~11月に「Odakyu OX」の相模大野店と経堂店で行われました。日立製作所、小田急電鉄、立教大学の共同プロジェクトです。
まず、小田急ポイントカードを持つ500名の女性に電子タグ(ICカード)を持ってもらいます。次に商品選択時に気にする事項についてアンケートを行い結果にもとづいてお客さんがどういう嗜好なのか4つのカテゴリーに分類します。
お客さんが売り場にあるカードリーダに電子カードをかざすと、LOHAS度、健康・環境・鮮度についてのポイントが表示され、お客さんの嗜好にあわせてお勧め商品が確認できるようになっています。これで購買高度がどう変わるか1ヶ月間にわたり2店舗で調査が行われました。
適切な情報提供で高いものが売れる
実験は豆腐、鶏卵、もやし、ハムの4食品で行われました。お客さんの嗜好にあわせてお勧め商品をすすめる |
例えば豆腐コーナーで電子カードをかざすとお客さんの嗜好にあわせて「懐石 きぬごし豆腐」がお勧めです、と商品とLOHAS度(健康/環境/鮮度)が表示されます。
実験結果から適切なタイミングで情報を提供すれば、高い商品でも売れることが分かりました。特に年齢層が高くなるにつれて顕著です。
食品によって役立った情報は異なり、豆腐であれば健康情報(カロリー、塩分、有効成分・効果)が半分をしめています。鶏卵では環境情報(CO2排出量、容器原料、飼料/肥料)が一番になっています。食品によって消費者が欲しい情報は少しずつ異なっていることも分かりました。
環境に配慮した商品は高いので売れないのではなく、お客さんと適切なコミュニケーションをとりさえすれば売ることができます。
お客さんの嗜好を分析し興味がありそうな情報を選択、表示するレコメンデーションを電子タグを使って実現していくことでマーケティングが大きく変わっていきそうです。
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