適切な在庫管理がメニューを決めるタイミングに影響
また実験では食事のメニューをいつ決めるかというタイミングに在庫管理が大きな影響を与えることが分かりました。適切な在庫管理がメニューを決めるタイミングに影響 |
在庫管理していない期間はスーパーで「商品を見ながらメニューを決定する」が一番多かったのですが、在庫管理するようになると「店に入る前に決める」が大幅に増えました。
また後半の実験期間ではモニターを25名ずつ2つのグループに分けました。グループAは在庫表を買物時に外へ持ち出し、グループBは家庭でのみ使用します。これによって差がでるかどうかの実験です。
結果は買物時に在庫表を持ち出したグループの方が「店に入る前にメニューを決める」傾向が大きくなりました。
この実験から冷蔵庫の在庫管理を行うことで、廃棄量、購買量、在庫量を減らせることがわかりました。また在庫管理を行うことでスーパーに入る前からメニューを決定でき結果として目的買いとなりました。必要な物しか買いませんので、特売に影響されて衝動買いすることも少なくなくなります。
電子タグで在庫管理が可能に
今回の実証実験ではIT機器などを使用していませんが、モニターから集めたアンケート結果では在庫管理に電子タグ(ICタグ)などのIT機器を使いたいという希望が半分を占めています。食品パッケージに電子タグ(ICタグ)がつく時代になれば冷蔵庫に電子タグの読取装置をつけ、自動的に在庫状況を把握し、スーパーに買い物で入る前に携帯電話で確認できれば、かなりの食品廃棄を減らせそうです。
また冷凍餃子騒ぎのように問題のある食材を回収する場合、トレーサビリティが難しいため新聞などの告知に頼らざるをえませんが、食品パッケージに電子タグがつけば回収が簡素化できるようになります。
冷蔵庫の在庫管理はきたるべき電子タグ時代をみすえた実験でしたが、もう一つスーパー店頭で商品をすすめることで商品を変えずに高付加価値商品が売れるかどうかの実験が行われました。