中小企業支援センターでの相談
中小企業支援センターに座っていますと、色々なIT関係の相談が舞い込んできます。本日もある社長さんが座られました。「会社を眺めるとどうも営業の効率が悪いようだ。グループウェアを導入すると効果的だと人に聞いたのだが、我が社の場合はどうだろう?」
「社長さん、グループウェアを導入するには、営業マンの人数分のパソコンを導入したり、サーバーを入れたりと多額の費用がかかりますが、御社の場合、どれぐらいIT投資が出来るのですか?」
「そこやがなあ、うまく使える補助金や、融資などは無いものかなあ?」
「社長さん、今の中小企業支援の基本は、自ら頑張る中小企業を支援しましょうですよ。そんな他人頼みではあきません。ところで融資を受けるにしても、どれぐらい自己資金を捻出できるんですか?」
「どれぐらい出せるか、数字は今度、税理士さんに聞いてきます。」
「社長さん、今、会社の経理はどうなってます? 伝票を全部、会計事務所に渡して、おまかせしてるのとちゃいますか?」
「・・・・・」
「グループウェアの導入を考えるより、会社の今の状況を社長さんがすぐ分からないのが一番の問題とちゃいますか? 自分の会社なんですよ、人まかせにせず、自分でしっかりコントロールできる会社にしましょうよ。」
「そやなあ。」
「では、具体的にどうしたらよいのか一緒に考えていきましょう。」
上記のような会話、けっこうあるんですよ。 特に個人事業から順調に会社を大きくして、従業員が10人から20人ほどになった会社では、けっこうある話です。今ひとつ会社が飛躍できない原因の一つにもなっています。
では、いきなりパソコンショップへ行って、会計ソフトを買えばよいのでしょうか? ソフトを買う前にいくつかおさえるべき手順があります。それを見ていきましょう。
手順1 まず簿記を学ぶ
のっけから少し気が重い話です。 会計ソフトですが、色々と改良されて、初心者にも使いやすいソフトが出ていますが、やはり基本は簿記です。会計ソフトは、複式簿記の原則で使用するため、簿記の基礎知識(日商簿記検定3級程度)は必要です。完璧でなくてかまいません、疑問に思う点は顧問税理士に尋ねればいいですし、まずは簿記の学習から始めましょう。経理担当者を雇う余裕が無い場合は、社長さん自身が学びましょう。
お近くの商工会議所、商工会、中小企業支援センターなどで安価で簿記の講習会を開催しています。まずは適切な講習会がないか探してみましょう。
次ページで具体的な会計ソフトの選び方を見ていきます。