(開業費の例)
業務案内チラシや開業挨拶の葉書などの広告宣伝費・関係者との飲食代などの接待交際費・準備のための交通費・印鑑代や名刺代・業務用物品の購入費用など。
それでは、どうして支出した費用を創立費及び開業費として分ける必要があるかというと、これらについては費用にもかかわらず、繰延資産という勘定科目として資産計上することができるからです。
この繰延資産は、会社法上は5年間以内に均等償却することにとなっていますが、税法上は任意償却することになります。なお、任意償却ですから、会社は第一期事業年度においては全額費用処理・全額繰延資産として資産計上・一部費用処理から選択が可能です。通常、設立初年度は費用が先行し赤字となることが多いでしょうが、創立費や開業費を繰延資産として資産計上することにより、費用の繰延べができ赤字を回避することができます。とりあえず創立費又は開業費という勘定科目に分類することをお勧めします。
ところで、設立登記後から営業開始までに経常的に発生する費用は本来の勘定科目で処理することになりますので、ご注意ください。
会社設立前の売上は?
会社を設立するに当たっては、ある程度の売上見込みを予想して設立する方が多いと思いますので、会社設立前に売上が発生することもあるでしょう。冒頭にも申し上げましたが、この場合の売上は、原則として設立登記前の組織体に帰属することになりますが、法人の設立期間が短く金額も多額でない場合には、設立第一期の損益に含めてもよいこととされています(ただし、個人の法人成りを除きます)。次回の会社設立前後の損益~税務編~へ
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