決算書が分かりにくい理由
貸借対照表を見ると、その時点での資産と負債の明細がわかります。損益計算書では、一定期間の売上や利益などがわかります。しかし、正直これだけではなかなか数字が分かりにくいんだよな、という方が多いと思います。
それは試算表や決算書が、基本的には一時点での数字であるためです。例えば月次試算表の損益計算書は、一定期間の売上や利益を表していますが、その月と期首からの累計しか分かりません。前月や、前々月の数字は、普通の月次試算表では確認できないのです。
数字をわかりやすく把握するための3つのツール
このわかりにくい試算表や決算書をわかりやすく見るために使う、3つのツールをご紹介したいと思います。まず、1つ目のツールは「推移」です。
例えば、今月の売上が1,000万だったとします。その数字だけを見ても、あまりそこから得られるものはありませんが、毎月の売上をざっと横に並べて見てみると、売上が上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのかなどが分かります。これが「推移」です。
数字の「推移」をうまく利用するためには、できるだけ毎月平準化できるものは平準化していくことが有効です。
例えば、賞与は年間支払額を12で割って毎月引当計上する、といった工夫です。このように、あらかじめ予測できるものについては平準化しておくことで、数字が変動する本当の原因を突き止めやすくなります。
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