欧米ではおなじみの制度
そこで登場するのがこの「給付付き税額控除」です。仕組みはこのようになっています。例えば、「給付付き税額控除」の限度額が15万円あるとします。所得税が15万円以上であれば、15万円の税額控除が受けられますので、納税すべき所得税は15万円少なくなります。
所得税が10万円しかない場合には、これまでの控除制度の考え方でいけば、10万円を控除し、残りの5万円は切捨てとなるところですが、この「給付付き税額控除」では、残りの5万円部分は現金で支給されます。極端な場合、所得が全くなく、所得税が0の場合でも、15万円の現金支給が受けられることになります。
この「給付付き税額控除」という制度は、現在の日本の税制では採用されていませんので、初耳という方が多いと思いますが、欧米では就労支援、子育て支援のため、既に導入されています。ただアメリカでは、この「給付付き税額控除」にかかる不正受給者が全体の3割に上るとも言われており、問題が多いのも確かなようです。単に税制だけの問題ではなく、給付金という社会保障制度も絡んでくるだけに、実際に導入するためには様々な障害がありそうです。
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