赤字対策(銀行格付対策)
以前でしたら、銀行からお金を借りようとする場合、担当者や支店長の裁量が多分にあったように思います。それが数年前から、銀行の融資姿勢が大きく変化しました。つまりは、支店長や担当者の裁量部分が大きくカットされ、企業の決算書を点数化することによる「格付融資」が主流となりました。経営者として今「銀行との付き合い方」で大事なのは、ゴルフや飲み食いではなくて(お付合いは大事ですが)、ずばり「決算書の良し悪し」です。しかし決算書が大事とはいえ、決算書のような定量的評価だけで格付(銀行からみた融資先企業のランク付け)が決まるわけではありません。おおまかには、格付審査の7~8割部分が定量的評価(つまり決算書による評価)で、残り2~3割部分が定性的評価といわれています。
この銀行格付対策というのが、決算3ケ月前にするべき3つ目の項目となります。
格付アップの方法としては、例えば、損益計算書上、「収入はなるべく上に、費用はなるべく下に」というものです。そうすると(もちろん合法的なやり方で)、最終利益が変わらずとも営業利益が大きくなる可能性があります。
黒字対策(良い節税対策)
節税と一口にいっても、その形態は様々です。私は節税を大きく3つに分けて考えています。それは「良い節税・悪い節税・普通の節税」というものです。詳しくは過去の記事「節税 良い子・悪い子・普通の子!」をご参照下さい。消費税納税予測
経営者としては、決算3ケ月前といわず毎月把握しておいてほしいのが、現在の消費税負担額です。常に現在の消費税負担額がいくらなのかというのを把握しようとすると、原則課税の場合は「税抜経理」が必要となります。税抜経理とは、売上や経費等がすべて税抜で表示されるということです。そして税抜経理を採用すると、毎月の試算表(貸借対照表)上に「仮受消費税」及び「仮払消費税」という科目がでてきます。仮受消費税とは、売り上げたときに預った消費税のことです。仮払消費税とは、経費等を支出したときに支払った消費税のことです。そして仮受消費税から仮払消費税を引いた差額が、現在の消費税負担額です。ちなみに税抜経理というのは、パソコン会計(又は税理士事務所に記帳依頼)であると簡単に実施することが出来ます。
また、簡易課税の場合は「税込経理」でいいのですが、自社の売上内容がどの業種区分になるのかを事前に把握しておいて下さい。そして、いつでも売上高から現在の消費税負担額を計算できるようにしておいて下さい。
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