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まだまだ使える減価償却・税額控除(2ページ目)

固定資産の100%償却という方向で税制改正論議が進んでいます。通常の減価償却以外にも、増加償却や陳腐化償却、耐用年数の短縮などの方法があります。また、リースの場合の税額控除には裏技があります。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド


税額控除の方が有利

先に紹介した増加償却・陳腐化償却・耐用年数の短縮は、結局のところ将来の減価償却費の先取りに過ぎません。当期だけを見れば節税になりますが、長期的に計上できる減価償却費は変わらないのです。

これとは別に、取得した固定資産の取得価額の一定率を法人税から控除できる「税額控除」という方法があります。この方法であれば、減価償却費を通常通り計上した上で、さらに一定額を法人税額から控除できますので、確実に税負担軽減になります。

税額控除にはさまざまな種類がありますが、有名なものとして通称「中小企業投資促進税制」があります。これは160万円以上の機械や120万円以上の備品が対象になっており、平成18年税制改正で70万円以上の一定のソフトウエアを取得した場合にも認められるようになりました。

新たに固定資産を取得した場合には、このような税額控除が使えないかぜひ検討してみて下さい。なお、税額控除は新たにリースを組んだときにも適用できます。

リースの場合の裏技

税額控除はどの法人でも使えるわけではありません。通常は資本金額が一定額以下の法人が対象になっています。リースでも原則として同様です。ただし、リースの場合、この基準に当てはまらなくても税額控除が使える方法があります。

例えば、今年の税制改正により新設された「情報基盤強化税制」では、リース税額控除を適用できるのは、青色申告書を提出する資本金1億円以下の法人とされています。資本金1億円超の法人では適用できません。
しかし、リース条件を設定する際に、税務上売買取引とみなされるようにリースを組むと、形式的にはリースであっても、税務上は売買取引として取り扱われます。
「情報基盤強化税制」では、売買取引の場合の税額控除には、適用要件に資本金制限がありません(※2)。したがって、資本金1億円超の法人でも特別控除を適用することができるようになります。(※3)。

(※2)ただし、取得価額が3,000万円以上の場合に限ります。
(※3)法人税法基本通達12の5-2-15。
(※4)なお実際の適用にあたっては税理士などに相談のうえ、慎重に検討して下さい。


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