大学生の就職活動/就職活動の選考対策

エントリーシートに書く文章の基本構造(3ページ目)

エントリーシートに書く自己PRの基本は、コンテキスト(伝えたいこととその前後関係)を明確にすることだ。企業は君が入社してからも「求める力」を再現してくれるのかを、確認したがっているのだから。

執筆者:見舘 好隆

自己PRは「コンテキスト(伝えたいこととその前後関係)」が大切である。

エントリーシート
企業が求める力をちゃんと伝えた時こそ、内定を得ることが出来るのだ。
以上が「企業が求める力」をPRする、自己PRの基本構造である。では、私の大学時代のエピソードを例に、その基本構造で書かれた自己PRを見て欲しい。

  • 600文字バージョン
    「時間を何が何でも厳守し、与えられた仕事を遂行する力」

    コンサート照明のアルバイトを3年間続けています。
    この仕事に就く前は恥ずかしながら時間にルーズでした。
    ある日、集合時間に2時間も遅れるという大失態を犯しました。当然開演時間は動かせません。やむを得ず私が担当するべきライト操作を割愛し、先輩スタッフが一人で本番を切り盛りする結果になってしまいました。その姿をみて、先輩にはもちろん、そんな公演を観させてしまったお客様に対し、自分の情けなさが許せなくて涙を流しました。いかに時間管理ができないことが、人様に迷惑を掛けるのかを、骨の髄まで学びました。

    その日より、時間管理のコツ、例えば乗換経路やホールまでの道筋などを丹念に調べるのはもちろん、トラブルがあった時の対処(緊急連絡先など)も踏まえた準備もし、さらに体調管理(前日の就寝時間など)も配慮できるようになりました。結果、当然遅刻はゼロとなり信頼も回復し、今まで近畿圏だけだった現場が千葉や福岡の遠征も任されるようになりました。さらに社員になることを勧められました(もちろん御社が第一志望ですのでお断りしましたが)。

    御社に入社しても、この仕事の基本原則である「時間厳守」を常に心に刻み、お客様はもちろん社内そして取引先全てにおいての信頼を勝ち取りたいと思います。できれば最初は営業で、現場の声を身体に刻みたいと考えております。

     
  • 300文字バージョン
    「時間を何が何でも厳守し、与えられた仕事を遂行する力」

    コンサート照明のアルバイトで、集合時間に遅刻し、私が担当するべきライト操作を割愛し、先輩一人で本番を切り盛りさせてしまうといった大迷惑を掛けてしまいました。先輩は勿論、その公演を楽しみにしていたお客様に対し、自分の情けなさが許せなくて泣きました。いかに時間管理が大切か、骨の髄まで学びました。

    その日より、時間管理のコツ、例えば乗換経路や緊急時の対処、体調管理も配慮することで遅刻を無くし信頼を回復させ、千葉や福岡の遠征も任されるようになりました。

    御社に入社しても、「時間厳守」を心に刻み、同僚やお客様の信頼を勝ち取りたいと思います。


以上が、私が求める力を「時間や期日を正確に、責任感を持って遂行できる」とした、旅行会社に書いた自己PRである。300文字バージョンでは、「3.以前の私」と「6.御社に入社した暁には!」を割愛している。コンテキスト(伝えたいこととその前後関係)があったほうが、より伝わりやすくなることを読み取って欲しい。


企業は君が入社してからも「求める力」を「再現してくれるのか」を確認したがっている。だからいろんな質問をしたり、課題を与えることで、君の「求める力」を引き出そうとしているんだ。その形式が、エントリーシートだったり、面接だったり、グループディスカッションなのだ。

その基本をしっかり抑えて、自己PRを組み立てて欲しい。
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