大学生の就職活動/就職活動での内定から入社まで

内定者インターンシップ後の辞退は可能?(3ページ目)

早期退職を防ぐために内定後のインターンシップはオススメだ。結果辞退するのは仕方ない。しかしギリギリまで考えて欲しい。ポイントは「そのギャップは瑣末ではないか」と「再度内定が取れる確信はあるのか」だ。

執筆者:見舘 好隆


この理想と現実とのギャップは我慢した方がいいのか?

誰しも理想と現実の差には打ちのめされることはある。この記事を読んでくれている社会人のみなさんも、入社して初めての仕事が完璧に理想的だった人なんて一人もいないだろう。

ではそのギャップを、思ったより仕事が厳しい・面白くないといった「仕事自体のギャップ」、職場の雰囲気が合わない・上司を好きになれないといった「人間関係のギャップ」、そして会社の方針が合わない・社長が信頼できないなど「会社そのもののギャップ」の3つに分けて考えてみよう。
    • 仕事自体のギャップ
      このギャップはあって当たり前だ。なぜなら働いたことが無いのだから。でもとにかく「やりたいことと違う!」と思ってしまった時、是非考えて欲しいことがある。それは「仕事は習熟しないと面白くない」ことだ。どんな仕事でも、こなせるようになって面白く思うものだし、こなせるようになるには時間と努力が必要だ。たった数日の内定者インターンで仕事に慣れるとは到底思えない。慣れる前に見切ってしまって、本当にいいのだろうか。
      例えば旅行会社で「ツアー企画」をしたいと思ったとしよう。当然専門知識も現場での経験も無いのに作れるわけは無い。よって新人は最初に営業に配属されるケースが多いのだが、ここで「こんなのやりたいことじゃない!」ともし思ったなら、それは愚の骨頂だ。「旅を作りたい」なら、まず接客や添乗でお客様に触れる経験や、仕入や手配などで業界の仕組みや人脈を作ることが必要。そんな努力も無くいきなりツアーを作れるわけは無いのだから。
      仕事は「点」ではない。次の仕事へと繋がっていく「糸」だ。キャリアは積むものじゃない。編むものだ。編む努力は「我慢」ではない。やりたいことへ繋げる「準備運動」なのだ。
       
    • 人間関係のギャップ
      このギャップもあって当たり前だ。あなたと相性が合う人だけの職場に配属される可能性なんて、宝くじを当てるより難しいぞ。一人や二人、合わない人は必ずいるものだ。またあなたは、その職場やその職場で働く人の情報をほとんど持っていない。ある程度コミュニケーションすれば、なぜあの人があんな態度をとるのかなど理解できるようになり、そんなに腹も立たなくなる。そしてそもそもあなたこそが、職場の仲間とコミュニケートする能力が最も劣っている可能性だってある(だってまだ働いたことがないのだから)。さらに言えば、組織なんてコロコロ変わるもの。人事異動もあれば、入退社もある。嫌な上司が異動するかもしれないし、あなた自身が異動するかもしれない。悩むまでも無くその問題は改善するかもしれないのだ。なのに人と合う合わないが原因で辞退をすることは、最も避けるべきことと言えよう。
      ※社長と合わないと思ったなら、辞退したほうがいいかも。大企業ならともかく、中小企業やベンチャー会社の社長は創業者や創業者の身内が社長の場合がある。そう簡単には辞めないし、職場の雰囲気も変わらない可能性が高いから。
      ※もちろんセクハラなど精神的・健康的に最悪の事態に追い込まれた場合、退職による離脱は選択肢に入るだろう。人事と相談することが前提だが。
    • 会社そのもののギャップ
      これは内定を取るまでに気が付くべきレベルである。スタッフサービスが提供する、あの有名な「『オー人事』のコマーシャル的ギャップ」と言えばわかりやすいかな。このレベルのギャップなら辞退したほうがいいかもしれない。
      ※スタッフサービスのCMレビューはトップページ→CMレビューで閲覧できる。笑えるよ!

※次のページで、「やりたいこと」自体を疑ってみることを考える!

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