「説明書ファイル」のその前に
ではまず、「決算ファイル」の中身についてご説明していきましょう。
■ 「資料」は頭の中でなく、紙やデータとして残す
私が決算作業のお手伝いをしていて案外多いケースが「必要なことは全部担当者自身の頭の中にしかない!」という状況。担当者1人だけが決算でどうしてよいか知っているだけで、その周りは全然わかっていない、というもの。「必要事項が頭に入っている」というのはすばらしいことですが、その人の「頭の中にしかない!」というと話は別です。
決算処理の手法は担当個々人だけが抱えるのではなく、必ず「経理共有の知識」としておくようにしましょう。 |
その担当者がずーっと健康で会社にお勤めしてくだされば、それはそれで結構ですが、長い勤務生活のうちには決算時に体調が悪くなることもあるでしょうし、さらに人間には残念ながら「寿命」があります。
どんな人でもいつかこの世とオサラバするときがあるのです。その人しか知らない処理を一緒にあの世に持っていってしまわれては、会社も一緒にあの世行きになってしまいかねません。
「決算では○○の処理をする必要があって、△△については××のようにしていた」ということは、経理内でオープンにしておき、いつでも引き継げるような形にしておくことが必要です。
「ひとつの作業を常に2人以上が理解している」ような状態が、今何かと話題の「内部統制」的にも理に適っているかと思います。
■ 「資料」の大きさがバラバラで困る
これは会社にコピー機があれば問題解決です。たとえば「資料をA4縦に統一する」と決めておき、それに大小する資料があれば「拡大」又は「縮小」コピーすれば良いのです。
あるいは資料をスキャニングし、データ形式にしてしまう、といった作戦もアリかもしれませんね。