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医療費控除はいつまでさかのぼって申告できる?過去分の申告のやり方

「机の中からおととし分の医療費の領収書を発見してしまった!確定申告はしていなかった……」。そんな方でもまだあきらめるのは早いです。医療費控除は何年前までさかのぼって申請できるのか、過去分の申請方法のやり方について解説します。

渋田 貴正

執筆者:渋田 貴正

企業経営のサポートガイド

医療費控除は何年前までさかのぼって確定申告できる?

医療費控除の期限は

医療費控除の期限は

いまさら発見されたおととしの病院の領収書。まだ捨てないでください。おととしの医療費控除も受けられるかもしれません。所得税の還付を受けるため、5年間はさかのぼって確定申告できるのです。

例えば、2019年12月31日までであれば、2014年から2018年の5年分はさかのぼって確定申告書を提出できます。法律上、6年以上前のものはさかのぼれないので、これを過ぎていたらあきらめましょう。

これは医療費控除に限られません。定年を迎えた親を扶養控除の対象に入れていなかった、生命保険料控除や地震保険料控除を受けるのを忘れていた、副業の源泉徴収票を放置していたなど、ほかにも原因はあるかもしれません。
 
<目次>
 

医療費控除以外にも……確定申告で遡って申告できる

例えば、70歳を超える親を扶養に入れていなかったケース。この場合、同居なら扶養控除は58万円なので、所得税率10%であれば、1年につき58,000円戻ってくる計算になります。これが5年分となると29万円です。もともと納めなくてもいい税金を納めていたわけですが、ちょっとしたボーナスのようで得した気分になりますね。

さらに住民税も戻ってきます。税務署に確定申告書を提出すると、そのデータはお住まいの自治体にも送られます。所得税と住民税の計算は連動しているので、所得税で還付が発生すれば、通常住民税も還付されることになります。
 

過去分をさかのぼってする確定申告のやり方

還付を受けるために必要なものは、その年の源泉徴収票と、還付の原因となる控除を証明する書類です。医療費控除なら医療費の領収書、生命保険料控除や地震保険料控除なら控除証明書などです。源泉徴収票は紛失しているなら、職場にお願いして再発行してもらうなどしましょう。

また、確定申告書の作成は、国税局の「確定申告書等作成コーナー」がオススメです。所得税は改正もたくさんありますので、5年前といっても計算や確定申告書の様式が異なっている場合がしばしばあります。

確定申告書等作成コーナーなら、当時の計算方法で確定申告書が作成できますし、計算方法も当時のものが反映されているので便利です。ちょうどさかのぼれる5年前の分まで作成メニューが準備されています。所得税の計算はよく分からなくても、言われた通りに入力していけば還付額を計算してくれます。
 

一度確定申告書を提出していた場合は別の手続きが必要

ただし、一度その年分の確定申告書を提出しているとちょっと事情が変わってきます。医療費控除は受けていたけれど、追加の領収書が出てきた場合などがこれに該当します。この場合は、「更正の請求」という手続きをとることになります。更正の請求とは、簡単にいうと、確定申告書に書いた金額が過大だったため、正しい金額に修正するための手続きです。

書類も確定申告書ではなく、更正の請求書というものを使います。この更正の請求書もさきほどの確定申告書等作成コーナーで作成できます。一度確定申告書を出していると別の手続きになるということは認識しておきましょう。

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