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「日本版SOX法」って、何だ?

「日本版SOX法」って、ご存知ですか?最近テレビCM等でも耳にする機会が多くなってきたこの法律、じきに企業にお勤めのみなさんにも関係してくることになりそうです。今のうちに概要を確認しておきましょう。

執筆者:森 康博

「日本版SOX法」って、何だ?


昨年末あたりから、私の周囲で「日本版SOX法」という言葉をよく耳にするようになってきました。本屋に行っても会計のコーナーでは「SOX法」という文字が目に飛び込んでくるように。みなさんも、テレビCMなどで「日本版SOX法対応!」なんて言葉、耳にしたことがあるのではないでしょうか?

耳にしたことがあるとはいえ、「日本版SOX法って、一体どんな法律なの?」と聞かれても、明確に答えられる人はあまりいないはず。私が周囲の人に質問してみても「経理に関係ある法律でしょ……」といった程度の認識の方が多いようです。

そんな「日本版SOX法」ですが、実は「経理の仕事」をしている人はもちろんのこと、対象となる企業グループに勤める人全てに関係がある法律で、しかも、その対応のためのタイムリミットも差し迫っているとしたら……?
今回は、突然やってくるこの法律に慌てないよう、その概要を今のうちにつかんでおくことにしましょう。

キーワードは「内部統制」

SOX違い
「SOX」って、モチロンこれじゃありません。この「SOX」のほか「日本版SOX法」にスポーツ方面の「SOX」と、2007年の日本のキーワードは「SOX」でキマリ?

「日本版SOX法って何だろう?」こう考えて法律書を紐解いてみても、その名の法律は見つからないでしょう。実はこの法律、2006年6月に成立した「金融商品取引法」という法律の一部のことを言います。

ではなぜ「日本版SOX法」という通称で呼ばれているのでしょうか?それは、本家アメリカのSOX法と類似している点があるからに他なりません。

21世紀に入ってすぐ、アメリカでは巨額の粉飾決算事件が相次ぎ、アメリカ証券市場の信頼が大幅に揺らいでしまっていました。「エンロン」や「ワールドコム」という会社名を耳にした方もいらっしゃることでしょう。これらの事件を受け、アメリカの証券市場の信頼性を回復させるために制定した法律が「SOX法」という法律なのです。

その後、日本でも「西武鉄道」「カネボウ」「ライブドア」と会計に関する不正事件が発覚しました。日本も「このままでは、まずい!」ということでアメリカのSOX法をお手本にして作った法律を「金融商品取引法」に組み込んだのですが、その組み込んだ部分の法律が「日本版SOX法」なのです。

いずれも、その目的は「証券市場の信頼を回復・確保するため」というのは法律が出来た経緯からお分かりになると思います。では、その目的を達成するためにはどうすればよいか?日米ともにその手段を「内部統制」に求めています。

立法の経緯・目的や手段が共通・類似しているところから「金融商品取引法の一部」が「日本版SOX法」と呼ばれるようになってきたのでしょう。

では、具体的に「内部統制」って何でしょう?また、対象になる企業とは?
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