一般事務で働く・転職する/一般事務の仕事

もっと身近に「売上」と「原価」~前編~(2ページ目)

「売上」と「原価」…経理事務を担当してない方にとては、あまり身近でない言葉かもしれませんが、どんな職種であっても、知っておきたい、わかると面白いものです。わかりやすく説明していきます。

執筆者:平井 実穂子

簿記3級の学習では、仕訳の基本問題として、こういうものがあります。

問題) 商品100円を現金で売り上げた。

回答) 現金 100 / 売上 100

これと同じように、ファミレスでの岡田さんのオーダーを仕訳してみれば、こうなるハズです。

現金 900 / 売上 900

ですが、実務では、「売上」という勘定科目を使うことの方がまれです。
伝票を1枚ずつ仕訳するわけではありませんが、実務では、こんな風に勘定科目を分けて仕訳していることが多いです。

現金    900 料理売上 700
飲料売上 200

売上の勘定科目が「料理」と「飲料」に対し、別に設けてありますね。

「ウチはレストランやってるけど、勘定科目の名前は違うなあ」というのはもちろんアリ。勘定科目名は、実情に合わせてある程度自由に決めていいのです。
もちろん「売上」ひとつで管理してもいいのですが、適切な勘定科目を決めて集計すれば、より詳しい数値を出すことができる。それは会社にとって、単に「結果」を表すものでなく、今後の対策をたてるために必要な資料となります。

より詳しい数値とは…後編に続きます≫

「売上」は、最も身近な「数値」

ちょっとハナシはズレますが…、「私は経理事務じゃないから、仕訳とか関係ないな」と思われるかもしれませんが、そうではありません。

売上の把握は、企業にとって最も重要なことのひとつ。そのため売上の計上は、契約書や納品書、請求書を発行するシステムと連動して計上されることも多いです。

今回ご紹介した例のように、オーダーエントリーシステムを導入しているファミレスでは、ホールスタッフのアルバイトをしている学生さんであっても、端末に入力することで、売上の仕訳をしていることになりますし、会社で働く全ての人は、なんらかの形で、「仕訳」にかかわっていると言えます。

会社は月ごとに、売上や利益の目標持っていることがほとんどです。特に売上は、担当者や店舗など、現場レベルで、「目標を達成できたか」を問われる数値。
目標が達成できたか、できなかったかを、ボーナスの額や昇給の評価と連動させている会社も多い。
日々の仕事の成果が、あなたの昇給やボーナスにかかわってくる可能性も、十分あります。
たったひとつのオーダーミスで、契約書や納品書の入力ミスで、目標達成できなかった…なんてこともあるかもしれません。

「売上」は、経理事務担当者でなくても、決してヒトゴトじゃない数値。また、自分の、みんなのがんばりがストレートに現れる数値でもあります。
特に店舗などでは、社員にわかりやすく公開していることも多いので、「今月目標達成できたかな」「去年と比べて今年はどうかな」など、興味を持って見ると面白いと思いますよ。


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