簿記3級の学習では、仕訳の基本問題として、こういうものがあります。
問題) 商品100円を現金で売り上げた。
回答) 現金 100 / 売上 100
これと同じように、ファミレスでの岡田さんのオーダーを仕訳してみれば、こうなるハズです。
現金 900 / 売上 900
ですが、実務では、「売上」という勘定科目を使うことの方がまれです。
伝票を1枚ずつ仕訳するわけではありませんが、実務では、こんな風に勘定科目を分けて仕訳していることが多いです。
現金 | 900 | / | 料理売上 | 700 |
飲料売上 | 200 |
売上の勘定科目が「料理」と「飲料」に対し、別に設けてありますね。
「ウチはレストランやってるけど、勘定科目の名前は違うなあ」というのはもちろんアリ。勘定科目名は、実情に合わせてある程度自由に決めていいのです。
もちろん「売上」ひとつで管理してもいいのですが、適切な勘定科目を決めて集計すれば、より詳しい数値を出すことができる。それは会社にとって、単に「結果」を表すものでなく、今後の対策をたてるために必要な資料となります。
より詳しい数値とは…後編に続きます≫
「売上」は、最も身近な「数値」
ちょっとハナシはズレますが…、「私は経理事務じゃないから、仕訳とか関係ないな」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
売上の把握は、企業にとって最も重要なことのひとつ。そのため売上の計上は、契約書や納品書、請求書を発行するシステムと連動して計上されることも多いです。
今回ご紹介した例のように、オーダーエントリーシステムを導入しているファミレスでは、ホールスタッフのアルバイトをしている学生さんであっても、端末に入力することで、売上の仕訳をしていることになりますし、会社で働く全ての人は、なんらかの形で、「仕訳」にかかわっていると言えます。
会社は月ごとに、売上や利益の目標持っていることがほとんどです。特に売上は、担当者や店舗など、現場レベルで、「目標を達成できたか」を問われる数値。
目標が達成できたか、できなかったかを、ボーナスの額や昇給の評価と連動させている会社も多い。
日々の仕事の成果が、あなたの昇給やボーナスにかかわってくる可能性も、十分あります。
たったひとつのオーダーミスで、契約書や納品書の入力ミスで、目標達成できなかった…なんてこともあるかもしれません。
「売上」は、経理事務担当者でなくても、決してヒトゴトじゃない数値。また、自分の、みんなのがんばりがストレートに現れる数値でもあります。
特に店舗などでは、社員にわかりやすく公開していることも多いので、「今月目標達成できたかな」「去年と比べて今年はどうかな」など、興味を持って見ると面白いと思いますよ。