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「年調末済」とは?年末調整されていない源泉徴収票をもらったら?

毎年、年末の時期になると発行される源泉徴収票の摘要欄にある「年調末済」とは? 源泉徴収票で「年末調整」が済んでいるかどうかを確認できます。年末調整がされていなかったら、ケースに応じた対応が必要です。確定申告をすれば税金を取り戻せるかもしれません。

渋田 貴正

執筆者:渋田 貴正

企業経営のサポートガイド

源泉徴収票で年末調整済か見分ける2つのポイント

年末調整されていない源泉徴収票をもらったら?

年末調整されていない源泉徴収票をもらったら?


まずは年末調整が済んでいるかどうかの見分け方から見ていきましょう。ここに2枚の源泉徴収票があります。ともに、その年の最後の給料の支払いを受けたときに会社から渡されたものです。上が年末調整を受けていないもの、下が受けているものです。並べてみると一目瞭然ですが、上の源泉徴収票の方が、数字が入っている欄が少ないですね。年末調整を受けていない場合は、かなりすっきりした源泉徴収票です。

年末調整を受けていない場合は、配偶者控除や扶養控除、生命保険料控除などが一切反映されませんので、数字が入る欄が少なくなるのです。年末調整が済んでいなければ扶養関係の控除も適用がないため、扶養している家族の名前も一切載ってきません。
「年調末済」とは 源泉徴収票の見方と年末調整されていない場合の対処法

年末調整が済んでいない源泉徴収票

「年調末済」とは 源泉徴収票の見方と年末調整されていない場合の対処法

年末調整が済んでいる源泉徴収票


年末調整が済んでいるかどうかを見分けるポイントは次の2つです。

1.所得控除の額の合計額が入っているか?
源泉徴収票の中に「所得控除の額の合計額」という欄があります。ここが空欄であれば年末調整が行われていないということになります。年末調整を受けている場合、どんな方でも380,000円の基礎控除を受けられるので、この欄にも最低でも380,000円と入っているはずです。

2.乙欄にチェックがはいっているか?
乙欄というのは、簡単にいうと休日だけのアルバイトなど、副業の会社の源泉徴収票ですよという印です。副業の会社の源泉徴収票には、「乙欄」という欄に※などでチェックが入れられているはずです。

2か所から給料を受けている場合、本業で働いている方で年末調整を受けて各種の所得控除を受けることになります。副業先では二重に所得控除を受けるのを防ぐため、年末調整を受けられず、確定申告する必要があるのです。ちなみに、親切な会社だと、例のように摘要欄に「年調未済」などと書いてくれるところもあります。この場合ははっきり分かりますね。だけど常に書いてあるとは限らないので、上記の2つのポイントも覚えておきましょう。
 

確定申告が必要?年末調整されていなかった場合の理由と対処法

では、万が一、ほかで働いていないのに、乙欄にチェックが入った源泉徴収票を渡されたら、どうすればよいのでしょうか?年末調整が行われていない理由として考えられるケースはいくつかあります。

1.扶養控除申告書を提出していなかった
扶養控除申告書とは、正しくは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と呼ばれるもので、正社員でもアルバイトでもどこか1社に必ず提出しなければならない書類です。本業として働いている場合は、入社時点や毎年の年末調整のタイミングで会社から渡されます。それを記入して会社に提出することで年末調整を受けられます。

これを出し忘れると、会社は副業と判断して年末調整が行われないことがあります。特に多くのアルバイトを抱えるような会社だと、一人一人に確認もできないため、このように画一的に取り扱われることが多いでしょう。

この場合は、会社に伝えれば時期によっては対応してくれるかもしれません。とはいっても、扶養控除申告書の提出は給料を受ける人にとっての義務ですので、出し忘れた以上は確定申告をしたほうがよいでしょう。所得が給料のみであれば、確定申告もそれほど大変ではありませんし、今ではネットで申告書を作ることもできます。

2.扶養控除申告書を会社に提出したのに、年末調整されていない
こんなときは源泉徴収票を確認して、すぐに会社に伝えましょう。原因としては、担当者の処理間違いや、正社員にしか年末調整しない会社の方針がある(本来は扶養控除申告書の提出を受けた以上年末調整をすることは会社の義務なので、所得税法上問題はありますが)などが考えられます。ただ、気づいた時期や方針によっては会社での対応が難しいでしょう(繰り返しますが、この会社の対応は本当はNGです)。この場合は、納得いかなくても確定申告をしたほうが合理的といえます。

ちなみに、副業で働いている場合は、副業側では年末調整は行われません。この場合は、本業の源泉徴収票と、副業の源泉徴収票を使って確定申告することになります。

このとき、本業で年末調整を受けていれば、副業の源泉徴収票の「支払金額」(2枚以上ある場合や、ほかの所得がある場合は合計額)が20万円以下であれば、確定申告はしなくても法律上OKということになっています。あえて申告すれば源泉所得税が戻ってくる場合もありますが、その分翌年の住民税が上がります。どっちが得かは本業の給料に適用される税率次第ですので一概には判断できませんが。副業の「支払金額」が20万円を超えていれば確定申告は義務です。必ず確定申告しましょう。

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