2007年10月3~5日、東京・有明ビッグサイトで開催された国際福祉機器展。ここで5日に開催された、ふくしのスキルアップ講座「財務諸表から見た福祉施設の課題-給与水準は保てるか-」に参加してみました。その報告です。

◆INDEX◆
1P目>>【収益が高く人件費比率が低い施設はいい施設か?】
2P目>>【介護理念なくして人材は定着しない】
3P目>>【人材育成には今すぐ始めても10年かかる】

収益が高く人件費比率が低い施設はいい施設か?

講座テキスト
講座は300人定員でほぼ満席だった
実は私、「財務諸表から見た福祉施設の課題-給与水準は保てるか-」という講座タイトルの「給与水準は保てるか」という副題に引かれて参加しました。でも前半はメインタイトルにあるとおり、財務分析から見た福祉施設の業務改善のポイントについての税理士さん(TKC全国会・社会福祉法人経営研究会幹事・田中正明氏)の話。ムム、専門的~と思って、少し引いたのですが、これが意外におもしろい。

まずは、約2800の福祉施設の財務データを集計して出した平均値をもとに、業務改善のためには財務データのどの部分に注目すべきか、といった話。

さらにこの平均値で、ある法人の財務データを比較検証し、問題点を指摘。いわく、

「事業活動収益は平均値(295,181千円)を上回っているが、
収益に占める人件費比率は平均値(55%)より10%も下回っている」
→これは果たしていい施設か?(よくない)
「減価償却比率が平均値(9.5%)を上回っている」
→設備投資が過剰である
「経常収支差額比率※が平均値(7.4%)の2倍以上」
→儲けすぎている
※経常収支差額比率=(事業活動収入-事業活動支出)÷事業活動収入×100

また、この法人は、同一規模の施設に比べて職員数が多いにもかかわらず、事業活動収入に占める人件費の比率が低いとのこと。このことから、

非常勤職員の数が多く、しかも定着率が低い。

つまり、マネジャークラスはいるが中堅職員がおらず、
勤続3年未満の職員ばかり。

だから、人件費比率が低い。

ということが明らかになり、この法人では人材育成ができていないことが指摘されました。

今後は、人件費比率が高くなっても、非常勤職員を正職員化して人材育成することが急務、という話でした。

なぜ、人材育成が急務かについては、次の講師が話してくれました。

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