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母子生活支援施設での実習報告

社会福祉士通信講座を受講中のガイド宮下。受講記第3弾は、母子生活支援施設での実習についての報告です。福祉の職場の方だけでなく、介護職の方も参考になることがきっとあると思うので読んでみてね!

執筆者:宮下 公美子

2005年4月、受講している社会福祉士通信講座で、某母子生活支援施設での2週間の実習に行きました。高齢者施設は何度も取材で行ったことがありますが、母子生活支援施設はもちろん、福祉施設に行くのも実は初めて。どんなところなのか、どんなことをするのか、始まるまではとても不安でした。しかし終わってみればあっという間の2週間。非常に学ぶことが多い実習でした。実習の内容、学んだこと、感じたことなどを報告します。

↓↓社会福祉士講座受講記シリーズはこちら↓↓
第1弾>>>「レポート書きに追われる日々」
第2弾>>>「なぜ皆そんなに前向き!?と驚いた夏季スクーリング」
最終回>>>「どういう観点から講座を選ぶか?」

母子生活支援施設とは

かつては母子寮といわれていた母子生活支援施設。母子寮の頃は住まいの提供が主たる役割でしたが、今は2年から3年を退所目標と、自立を支援していくことに力を入れています。施設を利用するのは、借金、ドメスティック・バイオレンス(DV)などの問題を抱えた母子。実習に行った施設は、今はほとんどがDVがからんでいるとのこと。利用定員は20世帯で、その他、緊急一時保護用の居室が2部屋。実習の時点では、19世帯が利用していました。

多くの母子生活支援施設は老朽化しており、トイレは共同、風呂もない6畳一間というところが数多くあります。しかし私が実習した施設は数年前に建て替えたばかり。バス・トイレ付きの2Kと、かなり居住性のよい施設でした。

母子生活支援施設は、児童福祉施設の中では唯一、親と一緒に入所する施設です。親と離れて入所する児童養護施設であれば、施設の方針に従って入所児童を指導することができます。しかし、母子生活支援施設の場合、母子の家庭の方針が基本。指導員が疑問に思う子どもの言動も、安易に叱ることはできません。どこまで指導するか、指導員の方も悩むことが多いそうです。

また、この施設は、追ってくる夫からのがれるために匿名で入所する母子もいるなど、もともと閉鎖性を高くする必要のある施設でした。この4月からは個人情報保護法案が施行されたことで、さらに情報管理が厳しくなり、写真撮影は不可、個人名が書かれた書類は持ち出し不可、各世帯の部屋には子どもに誘われても決して立ち入らないこと、といった指導がなされました。
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