介護・福祉業界で働く・転職する/栄養士・管理栄養士の仕事

市民の健康を食でサポート 行政栄養士

市町村や保健所、保健センターなどでは、地方公務員として栄養士が地域の人々の健康増進に取り組んでいます。今回は静岡県富士市健康対策課に勤務する管理栄養士の渡邊里佳さんに、業務についてうかがいました。

執筆者:大石 淳子


市町村や保健所、保健センターなどでは、地方公務員として栄養士が地域の人々の健康増進に取り組んでいます。静岡県富士市は「健康ふじ21計画」を独自に設定。市民への熱心な働きかけがなされています。今回は静岡県富士市健康対策課に勤務する管理栄養士の渡邊里佳さんに、どのような業務をしているのかうかがいました。

行政での栄養士業務

渡邊里佳さん
静岡県富士市健康対策課成人保健担当、管理栄養士の渡邊里佳さん。主に健康増進事業、特定保健指導に携わっている
ガイド:
現在、どのような仕事をしているか教えていただけますか?

渡邊里佳さん:
富士市健康対策課に所属し、市役所と少し離れた保健センターに勤務しています。そこではお母さんお父さん教室や離乳食講習会、幼児健診といった母子保健法に基づく事業、市の健康増進計画「健康ふじ21計画」に沿った食生活講座や市民栄養相談、地区の健康教育、食生活推進員の支援、食育ノススメ事業、ライフステージ別の食育講座などを行っています。また2008年度からは富士市国民健康保険の特定保健指導も行っています。

行政の栄養士が働く場所には保健所もあります。保健所は中核市や政令指定都市、都道府県で設置しているもので、主に健康増進法、食育基本法などに基づく仕事をしています。

ガイド:
具体的な業務内容を教えていただけますか?

渡邊さん:
母子保健事業は、お母さんお父さん教室や離乳食講習会の講話や調理支援、1歳6ヶ月児健診、3歳児健診時での栄養相談をしています。

お母さんお父さん教室は妊婦さんが参加する教室で、妊娠中から出産後の食生活のポイントや望ましい体重増加、妊娠高血圧症候群の予防についてを「妊産婦のための食生活指針」にそって話しています。

離乳食講習会は、生後5~6ヶ月頃のごっくん期、7~8ヶ月頃のもぐもぐ期、9~11ヶ月頃のかみかみ期、12~18ヶ月頃のぱくぱく期の4つの教室を開催しています。それぞれの離乳食の進め方を話し、作り方のデモを見てもらって試食をします。

ガイド:
どんな相談が多いですか?

渡邊さん:
多い悩みは偏食とむら食い。野菜嫌いもありますね。子どもの肥満への対応は身体計測で肥満度を計算し、該当者に栄養相談を行っています。生活リズムを聞いて個別に対応しています。

子どもが好むような料理に苦手な食材を使ったり、料理を作る時に子どもに言葉をかけて手伝わせたり。子どもに自信をもってほしいと思い、少しでも食べられた時にはほめるようにアドバイスしています。食べないものは作らないお母さんもいますが、食べなくても食卓に出したり、言葉をかけるようにと話し、食事バランスの説明もします。

次のページでは、健康増進計画で栄養士が行う内容をご紹介します!
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