介護・福祉業界で働く・転職する/栄養士・管理栄養士の仕事

市民の健康を食でサポート 行政栄養士(2ページ目)

市町村や保健所、保健センターなどでは、地方公務員として栄養士が地域の人々の健康増進に取り組んでいます。今回は静岡県富士市健康対策課に勤務する管理栄養士の渡邊里佳さんに、業務についてうかがいました。

執筆者:大石 淳子

食育からメタボ対応まで、全てのライフステージにかかわる

食育
NPO法人富士川っ子の会からの依頼で、年に1度「エコクラブ活動」に参加。農園でとれたものを使ったクッキングや栄養講座を行う
ガイド:
健康増進計画の事業ではどのようなことをしていますか?

渡邊さん:
「健康ふじ21計画」は健康課題を、元気なまちづくり、健やか親子、健康診断、脳血管疾患・糖尿病・肝臓病、がん、食生活・栄養、運動、たばこ・飲酒、こころ、歯、骨折・痴呆に重点をおいた取り組みです。この食生活、栄養の分野を担当しているんです。

例えば食生活推進員に対して養成教室や調理実習を行う業務があります。食生活推進員とは食生活改善推進員のことで、富士市ではこのように呼んでいます。市民の希望者が研修を受けた後、一般の方々に対して、食育講座、減塩味噌作り教室や高齢者への配食の手伝いなどの活動をしています。現在84名いる食生活推進員が、地域へアプローチをすることは大きな力であると考え、サポートしています。

また一般の市民の方に市広報、地方紙で呼びかけ、食生活講座を開いています。食事バランスガイドを使いながら、生活習慣病予防のための食事について話します。「食物繊維をたっぷりとって油を控える」を今年度のテーマに、調理実習を行いました。

食育ノススメ事業は、クッキングや食育劇、PTAや未就園児の親に食育、健康講座を実施しています。幼稚園へは各園の要望を聞き、厚生労働省が報告した「楽しくたべる子どもに」の目標に沿って行っています。

小学校1年生には、鮮魚店の協力のもと、5、6種類の魚介類を見て触り、さばくところを見学。魚の栄養については栄養士が話します。小学校2年生には、地場産品のしいたけについて生産者から話を聞き、試食。原木から子ども達がしいたけをもぎとる体験もします。

幼稚園や小学校のPTAからの依頼で、簡単な朝食作り、バランスのよいお弁当作りなどの食育講座を行ったり、地場産品を使った料理紹介の依頼があると、講話や料理講習の企画もするんです。

ほかに「健康ふじ21計画」の推進として、健康まつりを開催します。保健センターを会場に、体力測定、禁煙コーナーなどを設置。近隣にお住まいの方が来場し、健康や生活環境を見直す機会にしてもらっています。栄養士は参加する静岡県栄養士会、食生活推進員などとの調整をしたり、食育コーナー、食事バランスガイドコーナー、個別栄養相談を担当しています。

次のページでは、子どもや市民の健康層を底上げについてご紹介します!
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