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実技演習が始まった!

ガイド宮下のヘルパー2級講座受講日記の4回目は、シーツ交換など実技が始まり、冷や汗連続の宮下の姿を恥を忍んでレポート。

執筆者:宮下 公美子

ガイド宮下の受講日記も第4弾です。いよいよ実技演習に突入!

【このシリーズのバックナンバー】
受講日記●1【テキストってこんなに分厚いの?】
受講日記●2【テキスト、読み飽きた~!】
受講日記●3【いよいよスクーリング!】
受講日記●5【やったそばから忘れていく~】
受講日記●6【在宅介護は学びの宝庫】
受講日記●最終回【施設のよさ、在宅のよさ】


2月19日(水)
わかってないねぇ
 スクーリング2日目は、まだ座学。でも、一方的に講義を受けるわけではなく、たとえば、2人組になって「一人が利用者、一人がヘルパーになり、交替しながら、視覚障害で片マヒのある利用者に小袋入りのアメを食べさせてあげてください」なんて課題をこなす。

この課題、食べさせればいいのね~なんて、簡単に考えていたら、実はけっこう深い! 相手は視覚障害者だから、まずはきちんと自己紹介をしてアヤシイ者ではないと安心させなくてはならないし、アメを食べますかと聞いて(食べさせて、という課題だったからって、聞きもせずに食べさせた私)、さらに、アメはどんな大きさ、どんな味のアメなのかを説明し、ようやく食べさせる、といった具合。

何より、まったく思いつかなかったのは、片マヒだから片手は使える。だから残存機能を活かすために、小袋を自分で開けてもらうことも大事、っていうこと。だって小さいアメで、落としちゃいそうだったしさ~。ヤレヤレ、全然わかってないねぇ、私。

健常の私にはなかなか、障害がある人や、いろいろな機能が低下している高齢者の不自由さが実感としてわからない。わかろうと努力しても、今はまだ残存機能を活かすということまではとても気が回らなくて。何でもかんでもやってあげてしまう。残存機能を活かすって言葉は知っているけど、実際の介護の場面では完全にふっ飛んじゃいますね~。

痴呆介護のやりがいは
この日の午前中ラストは、グループホームでの痴呆介護の様子を紹介した40分ほどのビデオを見て、その介護についての話し合い。実は痴呆介護については、以前から、介護職のみなさんがどのあたりにやりがいを感じているのか、私はとても知りたかったのです。

だって、何もわからなくなってしまっている、そして何かしてあげても翌日には忘れてしまっている人たちに対して、常に質の高い介護をしようという気持ちを持ち続けるのって、すごく難しいと思いません? 以前、特別養護老人ホームの痴呆棟の介護職にこのことを聞いたときも、やはりはかばかしい返事が得られなくて、ずっと疑問に思っていたのでした。

でも、この日、痴呆介護のビデオを見て、疑問が氷解! そうか、と思った。ポイントは2つ。一つは、何かしてあげたとき、翌日にはしてあげた具体的なことを忘れてしまっても、してもらったという満足感は残るということ。そしてそれが気持ちの安定につながっていく。つまり、してあげたことは、決してムダではないということ。

もう一つは、徘徊、帰宅願望などの行動障害がある場合、その根本原因が何であるかを探り出し、そこを解決すれば、行動障害が軽減される、ということ。ビデオでは、行動障害がある高齢者が過去どういう生活を送ってきたかを調べて、そこから解決の糸口を見出し、実に様々なアプローチをしていた。それはそれは手のかかる、根気のいる作業。

しかも、そのアプローチはうまくいかないことの方が多い。それでも諦めずにアプローチを続けることで、その痴呆高齢者にハマるものが見つかり、それをきっかけに高齢者が変わっていく様子が紹介されていた。

これはすごいな、と思った。
身内が痴呆になっても、少し心構えが違ってくるかも。
とてもとても勉強になりました。

次はみごとな眠気覚まし!
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