介護・福祉業界で働く・転職する/栄養士・管理栄養士の仕事

学生にも人気!スポーツ栄養士になるには?(2ページ目)

スポーツ選手が強くなるために食事は重要な役割があるのです。スポーツ選手を支える栄養士と、スポーツ栄養士を目指す学生の活動をご紹介します!

執筆者:大石 淳子

1996年アトランタオリンピックを機にスポーツ栄養士に!

柴崎真木さん
柴崎真木さん。管理栄養士、健康運動指導士、健康科学修士 、ヘルスケアトレーナー、NSCA-CPTの資格を持っている。
現在、岐阜県スポーツ科学トレーニングセンターやJリーグジュニアユース、愛知水泳連盟、実業団陸上部などで栄養サポートをしている管理栄養士、健康運動指導士の柴崎真木さんは、1996年アトランタオリンピックをきっかけに、スポーツ栄養士の道に進みました。

スポーツが好きな柴崎さんは、高校生のときには陸上や水泳をしたり、栄養士課程で学んでいた学生時代にはスイミングクラブで働くなど、常にスポーツの近くで活動をしていたそうです。柴崎さんが栄養士資格を持っていることを知ったコーチのすすめで、アトランタオリンピックを目指す選手がいる水泳合宿で食事のアドバイスを行いました。この機会に柴崎さんは栄養学や運動生理学などを再び猛勉強。トレーニングや食事による身体の変化にあらためて関心が高まり、スポーツ栄養の仕事をしていくことを硬く決意したのです。

スポーツ栄養士になるチャンス

その後、フリーランスで活動し、フィットネスクラブのインストラクターを兼ねて栄養アドバイスを行ったり、スイミングスクールのコーチと栄養士を兼任。柴崎さんの栄養サポートによりスクール出身者の競技力が向上したことが広まり、次々と仕事の声がかかったそう。その繰り返しが現在の仕事につながっています。

柴崎さんいわく、「チャンスは自分のまわりにたくさんあるもの。どうつかむかは自分次第。そしてこの人に頼んだら一生懸命やってくれる、とまわりが思ってくれる仕事を積み重ねていくことが重要です」。

柴崎さんは、栄養士業務を経験せず、スポーツ栄養の仕事も一から誰かが教えてくれたのではないけれど、その時にできることを懸命に取り組んで勉強し、頼まれた仕事に対して全力以上にやったきたと言います。栄養士としては就職しなかった会社員時代の経験は社会勉強になり、今も役立っているそうです。

アスリートを支える喜び

選手とのかかわりで気をつけていることは、コーチの視点を持つこと。選手との距離を保ち、客観的に見るように心がけています。そして選手がどこにいても、戦える体をつくるための食事を自分で選べるように、自立してもらうことを目指しています。食べることには栄養以外にも大切なことがあり、食べものへの感謝の気持ちを持てるように、選手に伝えていきたいということです。

食事のメニューは選手の練習量や内容、モチベーション、疲労度を考慮して作成。選手の立場にたって、食べやすいことが考えられているのです。季節感、試合先の土地の食べもの、デザートなども取り入れて、楽しい食事を提供しています。

強くなりたい、うまくなりたいと望むのは、子どもでも同じこと。スポーツをしている子どもに食育を行うときにも、練習や競技にからめた話をしています。

「スポーツ栄養士の仕事の魅力は、目標に向かって頑張る選手たちから多くのパワーをもらえること。一緒に戦って、喜びを分かちあえることです。選手に、おいしく、楽しく、正しく食べることで、健康という財産を得られると知ってもらえたときは、とてもやりがいを感じます。」と教えてくれました。

次のページでは、学生アスリートをサポートする栄養士の活躍をご紹介します!
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