1年のうち3週間分が通勤時間に消える |
「賢いマンション暮らし」をする読者の皆さん!毎日の通勤時間はどれくらいですか?就労形態が多様化し、一部の企業では在宅勤務も認められる中、他人の通勤時間は気になるところでしょう。そこで今回、「あなたの一票」アンケートとともに、ビジネスマンの通勤事情を調べてみました。
平均通勤時間は34.2分 総務省調査
「賢いマンション暮らし」サイト内、あなたの一票で「皆さんの通勤時間」を尋ねたところ、「30分以内(在宅勤務を含む)」と「(45分超)1時間以内」がどちらも32%で同率1位となりました。「1時間以上」は12%と、思ったより少ない印象です。
さらに調査規模を広げ、総務省が行った「平成15年住宅・土地統計調査」をみると、家計主が雇用者である普通世帯の通勤時間(全国)は下表のようになりました。
年 次 | 平均通勤時間 | 家計主の通勤時間 | |||||
15分未満 | 30分未満 | 60分未満 | 90分未満 | 120分未満 | 120分以上 | ||
平成15年 | 34.2分 | 20.9% | 25.5% | 29.9% | 15.9% | 4.9% | 1.4% |
平成10年 | 34.8分 | 20.8% | 25.0% | 30.0% | 16.5% | 5.3% | 1.4% |
平成10年、平成15年と直近2回の調査結果を併記して一覧にしましたが、平均通勤時間は34分。そして、「60分未満(30~59分)」がボリュームゾーンとなっています。どちらのデータを見ても、およそ75%の方が通勤時間1時間以内におさまっていることも判りました。
通勤電車の中で、あなたは何をしていますか?
おそらく、読者のほとんどの方が「やはり、この程度だろうな」「自分の場合もその通りだ」といった同感の印象を持ったと思います。が、しかし、この「往復2時間を電車の中で過ごす」ことの“意味”を、きちんと理解している人は意外と少ないのではないでしょうか?
日本人は働き過ぎといわれ、「法定労働時間1日8時間、週40時間」が叫ばれるようになりました。一般正社員の年間休日数をみた場合、たとえば1日の所定労働時間が8時間かつ完全週休2日制だと、休日となる年末年始およびゴールデンウイークや夏休みを考慮して、およそ115日程度が休日となります。つまり、差し引き年間250日は会社に出勤している計算です。
そして、通勤時間が毎日2時間(往復)かかるということは、1年間で500時間(2時間×250日)を電車の中で過ごすことに相当します。500時間とは、日数に換算すると20.8日(500時間÷24時間)で、実に、年間3週間相当が通勤時間で消えている計算になるのです。
なかには、新聞を読んだり音楽を聴くなど有意義に使っている人も多いと思いますが、すし詰め状態の車内で、ただただ、早く目的地に着くことだけを考えている人が多いのも事実でしょう。「ビジネスマンの宿命」といってしまえばそれまでですが、虚(むな)しさが残るのも否定できません。
不動産情報サイトのネクストが、一人暮らしの新社会人を対象に行った住環境などのアンケートでは、住居の間取りは「1K」と「ワンルーム」が6割超。通勤時間は30分未満が5割程度という結果が出ました。狭くても、勤務先に近い部屋を選ぶ傾向が見て取れます。通勤時間を短縮しようとしたら、現在のマイホームを勤務先に近づけるか、あるいは、会社を変える(転勤)しか方法はありません。どちらも簡単な話ではありませんので、当面は“現状維持”となるでしょう。本コラムでも、住み替えや転勤をすすめるわけではありません。
しかし、貴重な時間が「浪費」されているのも事実ですので、「時間が足りない」とお嘆きの諸氏は、通勤時間を有効活用するための工夫をしてみてはいかがでしょうか?通勤時間が快適になれば、仕事に対する集中力や成績にも好影響を与えることは間違いありません。