大学院生と企業との橋渡し~人と企業を理念で結ぶ~

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編集は全て大学院生というアカリク。「院生雑学リレー」で語られていたウミウシの話が印象的だった。
大学院にいると企業情報がなかなか入手しづらく、また企業側も実際に博士と仕事をする機会がないため偏見があり、お互いの間に深い溝が存在している。林氏は大学院生の視野の狭さ、企業が持つ大学院生への偏見に着目し、大学院生と企業を結ぶインフラ作りに着手した。

林氏が代表をつとめるDFSでは、大学院生向けにカウンセリングやキャリアセミナー、自己研究プログラムなどの就業支援プログラム無料で提供。大学院事情に詳しいスタッフが、彼らの視野を広げ、大学院生が持つビジネスに活用できる能力を引き出していく。一方人材が欲しい企業には、人材マッチングを行い、その企業に適応できる能力、企業の理念に共感できる大学院生を紹介する。

このインフラは「人と企業を理念で結ぶ」が合言葉。理念マッチングをしっかり行うことで、企業にとって真の戦力となる人材と企業を結びつける。今回発行したアカリクも大学院生と企業を結ぶ手段の一つとして、情報が乏しい大学院生への情報提供に一役買っている。

統計学専門の営業マン、バイオ出身の人材コンサルタント

実際、大学院生達はDFSを経てどんな職種についたのだろうか。統計学専攻の大学院生が、自分のどこが優れているかを統計資料を用いてプレゼンを行ったところ、その説得力が超有名企業に認められて、営業職に採用された、という例がある。また、バイオの研究者がヒューマンスキル、コミュニケーション能力を認められて人材コンサルタントになった例などがあるそうだ。

いずれもそれぞれの専門をそのまま活かそうとしたら、ありえない職種なのかもしれないが、ちょっとやり方や考え方を変えるだけで、専門知識をビジネスに活かすことが出来る。

大卒者が、専門を問わず多様な職種に就くのに比べ、大学院に進んでしまうと、突然、職種を選べなくなってしまう。さらに博士課程にまで進んでしまえば、本人も周囲も研究職以外の選択肢を許さないような状況が続いていた。しかし林氏の言うとおり、これからは、専門能力を身につける際に培われたビジネスで通用する基礎能力を活用しながら、様々な形で専門能力を活かすという発想の転換が必要なのかもしれない。大学院生が持つ専門能力が研究職だけでなく、様々な職種を通じて社会に還元されるのは、社会にとっても有意義なことだろう。

夢は文化をつくること

現在、32歳の林氏。40歳まで、残り8年ほどかけて、この就職難大学院生支援のインフラ作りを育てていきたいそう。「40歳になったら、違う文化づくりをやってみたい。映画を撮ってるかもしれないし、何か、文化として社会のプラスαになるようなことをやりたい」と語る。気分転換は本を読むこと。雑誌から哲学書まで何でも読むという。ちなみに名前「林信長」は本名。本人いわく「この名前のおかげですぐに相手に名前を覚えてもらえて、すごく気に入っている」そうだ。

大学院生に特化した人材紹介会社、株式会社DFSでは、無料で就職支援サービスを行っている。ポストドクター、オーバードクターでも大丈夫とのことなので、気軽に登録をしてみてはいかがだろうか。登録は下記URLからどうぞ。

http://d-f-s.biz/

(西島)
今回、多忙にもかかわらず、快くインタビューに応じてくれた林氏。大学院生がおかれている厳しい現実をなんとかしたい、このままにしてはおけない、と支援ビジネスを立ち上げた情熱が、言葉の一つ一つから、ヒシヒシと伝わってきた。本来なら修了後の受け皿を考えずに大学院の門戸を広げ続けた責任を取って、国が対策を打ち出してもおかしくない支援に若きベンチャー企業社長が挑戦している。心から応援したくなった。


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