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博士のフリーター化を防げ!院生の就職支援(2ページ目)

博士のフリーター化と言われるほど厳しい就職状況が論じられる中、支援する仕組みを作ろうと、自らも京都大学大学院博士課程で学んだ若き社長が立ち上がった。

西島 美保

西島 美保

社会人の学び ガイド

社会人の学びガイド。社会人大学生、アメリカ大学編入、大学院留学、聴講生、通信教育、公開講座など自身の豊富な学習経験から、長年に渡り社会人の学びに関する支援活動を行う。 経営学(学士)、Master of Arts 取得。

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博士のフリーター化と博士を敬遠する民間企業

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株式会社DFSのオフィス。神泉駅から徒歩2~3分のところにあるビルの9階。アカリク創刊号が目印。
1.博士のフリーター化=社会資本の損失
文部科学省による大学院重点化政策により、大学院人口が増加しているものの、受け皿(就職)については準備されていない現状が続いている。その結果、大学院生、特に博士課程の大学院生が就職難に陥るという状況が依然改善されない。

大学院生の多くは、アカデミック、いわゆる大学の研究職を希望している人が圧倒的に多いが、少子高齢化の影響もあり、狭き門状態だ。ポスドク(ポストドクター)や講師など、アルバイトのような状況下で研究を続け、安定した収入が得られない、という博士のフリーター化が進んでいる。

「多額の税金が投与され、人材育成が行われているにもかかわらず、その人材が無駄になり、結果社会資本の無駄につながっている」と林氏は言う。

2.博士を敬遠する民間企業
「博士号」「大学院」と聞いて拒絶反応を起こす企業は依然多い。しかも博士課程に在学する人が就職を考えた時、既に20代後半にさしかかっており年齢制限にひっかかることもある。一つのことに集中し、努力してきた人材を社会が必要としていないという事実がある。

採用側には「博士を受け入れるだけの土壌がない」「高い給与を払えない」「他の人とうまくコミュニケーションがとれないのではないか」など、新卒と比べて「博士は使えない」という先入観・差別がいまだ根強くある、と言う。
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