全入時代~社会人学生への影響は?
若者がいない大学・大学院が増える? |
ただ、大学が社会人をターゲットにしたところで、全て生き残れるわけではない。社会人・大学院・転編入の入試専門校、青山IGC学院学院長の工藤美知尋(くどう・みちひろ)氏は「社会人の場合、勤務地や居住地などから進学先が都心に特定されるため、(進学先を選ばなければどこにでも入れるという全入時代の)影響はそれほど受けないだろう」と話している。さらに大学・大学院に進学する社会人の多くは、元々有名校・伝統校を選ぶ傾向があるため、いわゆる地方などの無名大学・新設大学への進学は少なく、社会人が経営難大学の救世主になるのは難しいようだ。
しかし、全入時代の到来により、今まで以上に社会人学生の進学先が有名校に集中する可能性は否めない。誰だってつぶれそうな大学には進学したくないし、大学側が定員割れの事実を表立って公表しないため、実際に経営難の大学かどうかを見極めるのは難しい。有名校であっても立地条件によっては入学志願者数が激減している大学もある。これから少子化が加速し大学の再編や統廃合が進むことは明らかな中、全入時代・大学過剰時代を生き残っていく大学を自己責任で選択する確かな目が私たちに求められている。また、これからの大学のあるべき姿として、大学側は、大学経営に不利な情報であっても定員充足率や大学の財務状況などを積極的に公表していくべきだし、また文部科学省などの監視・指導も必要だろう。
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