(記事掲載:2006.12.13)

来年は「教育の年」になるとガイドは考えています。教育基本法が改正され、具体的な制度改革が始まっていくでしょう。安倍政権が考える「美しい国つくりのための美しい人つくり」とはいったい?

1ページ目 【すでに始まっている「安倍教育改革」】
2ページ目 【安倍政権が目指すイギリスの教育改革】
3ページ目 【競争原理でどこまで教育はよくなるのか?】

【すでに始まっている「安倍教育改革」】

2007年は「教育改革元年」となるか

学校と競争原理
「学校、教育にも競争原理を」これが「安倍教育改革」の最重要ポイントになるだろう。
安倍政権は「抜本的な教育改革」の実現を発足前から重視して生まれた内閣です。

安倍首相が首相になる前に書いたあの『美しい国へ』(文春文庫)では、首相は1章を割いて「教育の再生」を論じていますし、政権発足後は教育担当の首相補佐官を任命(山谷えり子参院議員)、 10月には「教育再生会議」を発足させています。

その安倍政権が目指す「安倍教育改革」はどのようなものになるのでしょうか。

それは学校と学校のあいだの競争、教師と教師のあいだの競争。

この競争によって学校はよくなり、教師の向上心も上昇する……これが、安倍政権が考える教育改革の根幹です。そして、学校間競争を生むためにバウチャー制度や学校選択制などが、教師間競争を生むために免許更新制や成果報酬制度を導入しようとしたりするでしょう。

そして、学校や教師にさらに緊張をもたせるため、親・保護者たちを学校の管理に直接あたらせるような仕組みをつくろうとするでしょう。2ページ目で述べたガバナー制度のようなものを作ろうとするかもしれません。

このような大胆かつ壮大な教育制度改革の基礎となるのが、「新・教育基本法」というわけです。これをもとに、2007年は今まで述べたようなさまざまな教育改革が行われるのではないか、とガイドは予測しています。

「新・教育基本法案」と今後の「安倍教育改革」

国旗と愛国心
教育基本法改正問題では「愛国心」ばかりがクローズアップされているが……
安倍政権が作った新しい教育基本法案(以下「新・教育基本法案」)が衆議院を通過し、現在参議院で審議されています(2006年12月11日現在)。

この「新・教育基本法案」についてはガイド記事『教育基本法改正問題・一問一答』でも紹介したように「愛国心」的な言葉を入れることが大きく注目されています。しかし、ガイドは「学校教育」についての条文、第4条にも注目しています。

なぜならこれが、2007年以降安倍政権がすすめるであろう、「安倍教育改革」の基本法となるからだと考えているからです。

「新・教育基本法案」第4条とは

では、具体的にその「新・教育基本法案」第4条を見てみましょう。

日本国教育基本法案 第4条
「国及び地方公共団体は、すべての国民及び日本に居住する外国人に対し、意欲をもって学校教育を受けられるよう、適切かつ最善な学校教育の機会及び環境の確保及び整備に努めなければならない。

2 学校教育は、我が国の歴史と伝統文化を踏まえつつ、国際社会の変動、科学と技術の進展その他の変化に的確に対応するものでなければならない。

3 学校教育においては、学校の自主性及び自律性が十分に発揮されなければならない。」(第4・5項は略)

学校教育の内容について、抽象的ですが国や地方公共団体に「責務」があることを明確にした規定は、現行の教育基本法にはないものです。強いてあげれば、

教育基本法 第2条
「教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によって、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。」

くらいのものです。

ではこの新法案第4条には、どんな意味があるのでしょう。そしてそれに沿って、どのように教育制度が変わっていくのでしょう。次のページで予測していきます。