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【読者相談】35歳でも法科大学院に進学できますか?(2ページ目)

有力法科大学院への進学を希望している読者からの質問にガイドが回答。入学者選抜で評価されるポイントから分析した。

西島 美保

執筆者:西島 美保

社会人の学びガイド


職歴←契約社員ではダメ?

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雇用形態が複雑化している中、どんな仕事をしてきたかが問われる時代になった
契約社員として働く相談者は「社会人として記入できるような職歴はなく」と言っているが、職歴においては「正社員かどうか」という視点より、どのような仕事をしてきたかがアピールポイントだ。文部科学省はロースクール入学者選抜にあたり、「入学者の3割以上を、非法学部出身者など学部段階において法律以外の専攻分野を修めた者や実務の経験を有する者などとするよう努めること」としており、豊かな実務経験が入学者選抜では武器となる。合格者の職歴は、会社員や医師、モデルや専業主婦など、本当にバラエティに富んでおり、雇用形態が問題ではない。

職歴を法科大学院入学の志望理由とどのように関連付けるかが合格のポイントだろう。


35歳という年齢


相談者は「35歳で、有力法科大学院に合格できるか?」と質問しているが、「法科大学院は年齢制限がある」。しかし、これは下限のみで、上限はない。(しかし、公表はしていないものの、内々では年齢上限を設けている大学もあるのではないか、という意見も→・55歳では遅すぎる?医学部入試に年齢制限

2005年の法科大学院合格者の平均年齢と最高年齢を見てみよう。(参考:「法科大学院徹底ガイド2006年度版」)

早稲田大学大学院
平均年齢25.7歳 最高齢:46歳

東洋大学大学院
平均年齢:29歳 最高齢:46歳

成蹊大学大学院
平均年齢:32.3歳 最高齢:54歳

最高年齢を公表している学校は少ないため、断言は出来ないがこのデータを見る限り相談者の35歳という年齢は特に問題ないと思われる。合格者の年齢分布を見てみると、20代がトップ、次いで30代、40代という学校が多いようだ。


外国語能力は選抜者選抜で有利


法科大学院の入学者選抜では、適正試験、学部成績、各学校独自の試験(小論文、選抜試験など)に加えて重要視されているものに「外国語能力」がある。(参照:ロースクールは語学力重視

例えば慶應大学法科大学院の法学未修者コース(3年)の入学者選抜では、適正試験50%、学部成績30%、外国語能力20%と、外国語能力が20%も占めている。

一橋大学法科大学院では、TOEFLやTOEICのスコアが入学者選抜の25%を占める他、多くの学校では、外国語能力を証明する書類の提出が認められている。

相談者の場合、中国語と英語が出来る、とあるが、この能力を証明する書類(英語ならTOEFL、TOEICなどのスコアシート)が必要になる。早めにスコアを準備して法科大学院受験にのぞみたい。


要は本人のやる気次第


今までの解説で分かるように、この相談者は職歴、年齢、外国語能力を見る限り法科大学院受験生としては問題はない。適性試験の結果および今後の勉強次第で有力法科大学院への進学も十分範囲内だ。しかし、法科大学院への入学は、あくまでも通過点にすぎない。真の目標は新司法試験に合格し、法曹になることだ。

もし自分で挑戦する気持ちがなく、決心がつかないのなら今のうちにあきらめたほうがいい。スタートできない時点で、あなたは法曹には絶対なれない。新司法試験は難関資格だし、法曹になるまでの道のりは厳しく険しい。でも、もし自分でやると決めたら、きっと道は開ける。いや、自分で切り拓いていくしかない。あなたの人生の責任はあなたしか取れないのだから。

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