マンション購入術/新築マンション購入の流れ

重要事項説明書の読み方(住環境・管理編)

マンション購入の契約を結ぶ前に行われる重要事項説明では、住環境にかかわりの深い法規制についての説明があります。管理に関するルールの説明内容と併せて主なポイントを見ていきましょう。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド

用途地域で街並みがイメージできる


重要事項説明書には、都市計画法や建築基準法といった土地・建物に関する法律でどんな制限が課されているかを示した欄があります。なかでも住環境に大きく影響するのが建築基準法の用途地域です。一戸建て中心の住宅街なのか、大型商業施設が多いのかなど、用途地域を見ればおおよその街並みがイメージできます。

例えば「第一種低層住居専用地域」は閑静な住宅街向きの用途地域で、高層マンションなどは建てられません。マンションに適した住宅街としては「第一種(あるいは第二種)中層住居専用地域」などがあります。


商業地域や準工業地域のマンションにもメリットが


ただ、第一種低層住居専用地域でも3階建て程度の低層マンションが建てられるケースはあります。周辺が一戸建て中心の街並みであるため、閑静な環境を希望する人には向いていることが多いでしょう。

逆に駅前などの商業地域や、準工業地域の工場跡地などに建てられるマンションも少なくありません。どちらも閑静な住宅地というわけにはいきませんが、商業地であれば買い物に便利だったり、準工業地域なら大規模で共用施設が充実していたりといったメリットがある場合も多いのです。


建物の大きさを左右する建ぺい率・容積率


同じく建築基準法の建ぺい率と容積率は、建物の大きさを規制するものです。建ぺい率は敷地に対して建築面積(1階部分の床面積とほぼ同じ)がどのくらいの割合かを示し、容積率は敷地に対して延べ床面積(すべてのフロアーの床面積の合計)がどのくらいの割合かを示しています。

例えば建ぺい率60%、容積率300%で敷地面積1000m2の土地があるとすると、建築面積の上限は600m2、延べ床面積の上限は3000m2ということになります。すべての階の床面積が600m2とすると、単純計算で5階建てのマンションが建つ計算です。


容積率に余裕があれば将来建て替えしやすい


建ぺい率、容積率のどちらも法律上の制限をオーバーする違法建築は問題外。逆に容積率に余裕がある場合は何十年か先の建て替えがしやすくなります。ただ、最近のマンションは採算性の問題もあって、容積率をめいっぱい使っているケースがほとんどですが……。


敷地の権利は所有権か借地権か


「敷地に関する権利」というのはマンションの敷地が所有権なのか借地権なのかを明記する欄です。所有権の場合はとくに問題はありませんが、借地権(賃借権)だとマンションを売ったり人に貸したりするときに地主に承諾料を支払わなければならないケースもあるので注意が必要です。


ペット飼育や駐車場利用のルールをチェック


このほか、重要事項説明書には管理に関する事項も記載されています。例えば住戸をオフィスや賃貸住宅として使ったりペットを飼育するときのルールや、駐車場の利用者をどうやって決めるかといったことが明記されているので確認しましょう。

最近はペットを飼育できるマンションが多くなっているので、ペットを飼う予定のある人はルールの内容をよく確認してください。また、新築時から長期修繕計画をあらかじめ作成しているマンションがほとんどなので、計画書も合わせて確認させてもらうようにします。





【関連記事】
「重要事項説明書を知っていますか」(住宅購入のノウハウ)
「重要事項説明書のポイント」(住宅購入のノウハウ)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます