3.コンテンツ設計
桑畑「コンテンツには4つの特徴があるそうですね。」
岸さん
「はい。Attention(注目)→motivation(動機付け)→invitation(招待)→action(行動)の4つの要素からR25のコンテンツは設計されています。」
7月1日の創刊号の内容にそって解釈すると、
Attention(注目)とは「なぜだか安定してるよね。小泉首相支持率のカラクリとは?」「開発者が逮捕までされたウィニーってなに?」といった記事により、読者が今と向き合えて改めて『あ、そういうことだったのか』と思える内容を指します。
Motivation(動機付け)とは「ロングインタビュー どんなツライ状況でも楽しめ by 江川達也」といったインタビュー記事により、読者が「よし、オレも頑張るぞ」と勇気をもらえる内容を指します。
Invitation(招待)とは「たまには“泣ける”映画でもいかが?」といった記事により、読者が「そうそう、そんなことやってみたかったんだ」と思える内容を指します。
Action(行動)とは「男気テレビ局 深夜テレビ番組表」といったコーナーや広告形式の新商品情報により、読者が「じゃあ、試しにやってみよう」と思える内容を指します。
桑畑
「Invitation(招待)というコンセプトが特に新鮮ですね!」
田端さん
「そうなんです。実は映画を紹介する切り口ひとつでも、テストマーケティングの際は、いわゆる「おすすめ映画コーナー的」な紹介だったのですが、検証の結果、R25の場合は、もう一工夫必要だと感じたのです。.」
おそらく「おすすめ映画コーナー的」というのは、Tokyo Walkerやぴあに代表されるあのレイアウトのことをおっしゃっていると桑畑は解釈しました。
桑畑
「もう一工夫というのが興味深いのですネ!」
田端さん
「はい。それが実はInvitation(招待)なんです。今回の『泣ける映画でもいかが?』に例えますと、映画そのものを紹介する前に、R25世代が映画にどう接していただくと気持ちがよいのかなぁ?という視点が盛り込まれています。この記事は『映画を観て泣く、それもオトコが。涙を流すことが恥だと思われていた時代は幕を閉じた。泣けること=純粋な心の持ち主であることの証明なのだ。今週末、君も泣ける映画で心を浄化しませんか?』という招待文で始まります。このトーンをあまり熱く押し付けすぎてもいけないし、逆に冷たく引きすぎてもいけない。Invitation(招待)のコンセプトは、そうした加減から抽出されました。」
田端さん
「ちなみに、私たちの間ではそうした加減のことを『湯加減』と呼んだりしているのですが。」
桑畑
「湯加減ですか!いやぁ、実感がこもった趣深いお言葉ですね!」
私はこの『湯加減』というお言葉にエラく共感しました。マーケティングの成功は、この湯加減につきると日頃から感じていたからです。難しい言葉でいえばポジショニングとかコンセプトというあたりのことです。でも皮膚実感がないと難しい言葉で理解してもどうしようもありませんから「湯加減」は大変素敵な言葉だと思いました。
桑畑
「最後にご担当者としての想いについて、お伺いしてもよろしいでしょうか?」
田端さん
「もっと元気になろうよ。という想いが強くあります。」
岸さん
「生きるだけでなく“活きる”を刺激したいです。」
桑畑
「ありがとうございました。お会いできて本当に良かったです。」
まとめ
今回はR25のコンテンツ編をお届けいたしました。「オトコを刺激する情報マガジン」に込められたご担当者の想い。伝わってくるようでしたね。しかしこれだけで話は終わりませんでした。0円の週刊誌ですから、当然広告収入が必要となるわけです。次回はR25を広告メディアの側面から引き続き岸さん・田端さんのインタビューを交えてお話したいと思います。