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なぜ、都心の新築マンションが売れるのか?(2ページ目)

地価や金利が上昇し始めると同時に、新築マンション市場にも変化が表れています。これまでも人気が高かった都心のマンションに、「今こそ買い時」と人々が集中しているようなのです。人気の理由を探ってみましょう。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド

仕様も資産価値も高いハイグレード物件

都心では緑の環境に囲まれたハイグレードマンションも少なくない
都心では緑の環境に囲まれたハイグレードマンションも少なくない
都心のマンションは大規模な物件だけではありません。山手線の沿線エリアなどでは戸数が100戸未満の中小規模のマンションも数多く販売されており、やはり高い人気を維持しています。落ち着いた雰囲気の高級住宅地が多いエリアなので、そうした場所に立地するマンションも外観仕様のグレード感が高く、価格も1億円前後のハイグレードな物件が多くなるのです。

そうした高級マンションは周辺の環境に合わせてひっそりと閑静な佇まいであることが多いのですが、建物内部には最新の設備や機能が盛り込まれているケースがほとんどです。エントランスのみならずエレベーターの乗降などに二重・三重のオートロック機能を備え、さらに有人管理により防犯機能を高めている物件も珍しくありません。住戸内のインテリアを著名なデザイナーやプランナーがコーディネートするケースもあります。

都心部ではもともと高級仕様のマンションに特化した市場があり、それらは築年数を経ても高い資産価値を保ったまま売買されることが多いのです。今、新築で販売されている高級マンションの中にも、10年~20年後に「ヴィンテージ・マンション」として高く評価される物件が出てくることでしょう。



地価上昇で物件供給は減少気味

若いファミリー層でも比較的手が届きやすい湾岸の大規模マンションや、高級志向のシニア層にも人気のハイグレードマンションなど、豊富な物件供給で人気の都心部ですが、このところの景気回復で市場には変化も見られます。

というのも、企業によるリストラがひと段落したこともあり、大規模なマンション用地の供給が減りつつあるのです。だけでなく、地価上昇への期待感から個人を含めた土地所有者が所有地の売却を手控える動きも出ています。都区部では2005年のマンション供給が前年比で20%強ダウンしましたが、2006年も引き続き都区部での供給減の傾向が続いています(不動産経済研究所調べ)。

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手が届きやすい今のうちが「買い時」!?

一方で都心のマンション人気は衰えていないようです。むしろ今後の金利や地価の上昇予測が広がるにつれて、「手が届きやすい今のうちに」と購入に踏み切るケースも目立ちます。供給が減って需要が増えるのですから、価格は上昇傾向とならざるを得ないでしょう。都区部ではデータの上からも平均価格やm2単価が上昇する動きが読み取れます。

都区部のマンション供給が減ってきたとはいえ、まだ首都圏全体の3割前後を占めています(同)。湾岸では豊洲など千葉寄りのエリアで供給ラッシュとなっているほか、山手線の沿線エリアでもタワーマンションなど大規模プロジェクトがいくつか控えています。価格と金利が本格上昇し始める前に都心のマンションを、と考えている人は少なくないでしょう。景気回復で収入も右肩上がりが見込まれるなら、そうした流れに乗ってみるのもひとつの手かもしれません。
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