● 売場についての疑問
私は前から量販店・スーパーについて思うことがあります。
そろそろモノ単位の商売から、卒業しませんか?と。
主婦の買い物の目的は、献立を満たす食材調達にあります。
しかも、ほとんどの主婦は「今日の献立は何にしようか?」と決めかねた状態で店に来ます。
ですが、お店では「にんじんの特売」「今日はお肉が2パックで300円」など、モノ単位での販促を多く見かけます。
もっと顧客の潜在ニーズに耳を傾けてみませんか?
● こんな売場にしてくれないだろうか?
例えば、スーパーの売場に「和・洋・中」の3つの献立を展示するコーナーを設けるとします。
中華のコーナーでは回鍋肉の作り方を紹介し、その棚には1人分用と2人分用にセットされた回鍋肉の材料を置きます。
つまり、3人家族の場合には2人分用と1人分用を購入してもらうわけです。5人家族であれば、2+2+1人分用というように。
また、献立については、お店の方だけが考えなくてもよいのです。
レタスクラブやオレンジページに代表されるように、料理に関する雑誌は多くあります。そういった出版社とタイアップを組んで、雑誌に掲載している献立どおりに棚を作ることもできます。
棚の前に雑誌を置けば、出版社は喜んで協力してくれるのではないでしょうか。
更には、特定の料理人や料理研究家などともタイアップを組めば、「料理の鉄人による献立対決」が棚の上で展開できます。
今日は“かに対決”
「和の鉄人 中村 孝明の“かに茶碗蒸し”VS 中華の鉄人 陳 建一の“四川風かにあんかけチャーハン” VS フレンチの鉄人 坂井 宏行の“かにのフラン”の中からお好みの献立をお選び下さい」といった感じです。
同じく、All Aboutグルメ・クッキングサイトのガイドの方々による「おすすめレシピコーナー」も展開できるでしょう。
このやり方が定着した段階で、「定番献立ランキング棚」を設けます。お客様に最もご愛顧いただいている「秋の定番献立ベスト5」という仕掛けを作れば、リピート購入も容易に促せます。
もし、このような棚が定着してくれば、メーカーも黙ってはいないでしょう。
自社の加工食品や調味料などを用いた献立を引っさげて、売り込みが殺到するかもしれません。
(例:ハウスのカレールーを使った、「どっちの料理ショー」でおなじみ辻料理学校シェフ考案の特製シーフードカレー献立セット)
ついには棚が定番化すると、広告代理店が間に入って、大手量販チェーン店の棚を年間契約でバイイングし、メーカーや出版社に広告・販促スペースとして売り出すかもしれません。
このようにして、売場の情報価値はどんどん高まります。